ヒンディー ミディアム。 “インドのお受験”は壮絶!?翻弄される夫婦の姿描くコメディ『ヒンディー・ミディアム』予告編

映画『ヒンディー・ミディアム』インドのお受験事情を笑いあり涙ありで

ヒンディー ミディアム

受験のために高級な衣装を身にまとった二人だが…… デリーの下町で洋品店を営むラージ・バトラ(イルファーン・カーン)は仕事熱心だが英語を話すことができない。 一方、妻のミータ(サバー・カマル)は教育熱心で娘を進学校に入れることを考えている。 ところが親の教育水準や居住地までが合否に影響することを知り、にわかに身なりを改め高級住宅地へ引っ越すが、その努力も甲斐なく受験の結果は全滅。 落胆する2人は有名進学校が低所得者層向け優先枠を設けているという話に飛び付き、今度は貧民街に引っ越すが……。 さすがに受験のため貧民街に引っ越したという事例は我が国では聞かないが、それでも有名進学校への越境入学や受験資格を得るための一家移住等は話題に上る。 果ては子供の留学に合わせ、働きバチの夫を単身残留させてのアメリカやカナダへの母子移住も東アジア共通の現象といえる。 子のためなら多少の犠牲は仕方がないということなのだろうか。 一転して有名進学校の低所得者層向け優先枠を目指して願書受付に並ぶバトラ 日本とよく似ているなと感じたのは娘の合格祈願のため本来の宗派に関係なく手あたり次第に寺院を回り「娘を合格させてほしい」と願掛けする両親の健気な姿である。 これも日本人がご利益のありそうなお寺や神社を次々に回って拝むのとそっくりで、子を思う親の気持ちは万国共通だなと親近感がわく。 そして「娘さんは出遅れています!」と受験コンサルタントから宣告されるシーンも受験競争の激しさを具体的に感じられ身につまされるのである。 このように本作品の強みはサケート・チョードリー監督がインドで過熱するお受験事情を多少の誇張も交えながらリアルに再現しているからであろう。 合格のために受験コンサルタントから指導を仰ぐバトラ夫妻 監督の視点がもう一つ優れているのは、インドの格差社会をコメディータッチながらしっかり描いている点だ。 ミドルクラスといえるバトラ夫妻が娘の受験のためとはいえ慣れ親しんだ下町から高級住宅地、さらに貧民街へと移り住むたびに住まいや身なり、日常話す言葉まで劇的に変わっていく姿は象徴的。 とくに高級住宅地の住人は主に英語を話す機会が多く、インドでは英語の運用能力が社会的な階層を示す記号になっていることがうかがえる。 そういえば「マダム・イン・ニューヨーク」でも主婦のシャシ(シュリデヴィ)が英語コンプレックスをはねのけて女性としての誇りと自信を取り戻していく姿は感動的だった。 それはすなわち英語運用能力が経済的にも社会的にもステータスの高さを約束してくれる実情を表しているといえないだろうか。 だからこそ英語での授業が基本となる進学校がもてはやされる理由にもなっている。 さて、物語は夫婦そろっての涙ぐましい努力が実り何とか娘の合格を勝ち取るのだが、良心のとがめを感じたことから小さなほころびが広がり……と後半はしんみりさせられる。

次の

ヒンディー・ミディアム : 作品情報

ヒンディー ミディアム

日本版ビジュアルも到着した。 デリーの下町で結婚衣装の店を営んでいるラージ・バトラは、妻のミータと娘のピアの3人暮らし。 娘の将来のため、ラージとミータは娘を進学校に入れることを考えていた。 そうした学校は面接で親の教育水準や居住地まで調べていることを知るが、2人の学歴は高くなく、娘のために高級住宅地に引っ越して本格的に面接に臨むが、結果は全滅。 落胆する2人に、ある進学校が低所得者層のために入学に優先枠を設けているという思わぬ話が舞い込む。 タイトルの「Hindi Medium」は、ヒンディー語で授業を行う公立学校のこと。 英語で授業を行う私立の名門校は「English Medium」と言い、デリーの下町で洋品店を営むラージとミータ夫婦は、ピアをこのEnglish Mediumに入学させようと奮闘する。 本作では、階級を飛び越え、富裕街に貧民街にと住まいまで変えて悪戦苦闘する中で、人生において本当に大切なことに気づくまでを描いていく。 父・ラージを演じるのは、『アメイジング・スパイダーマン』『インフェルノ』など多くのハリウッド映画に出演する イルファーン・カーン。 家族想いでありながら、どこか抜けた部分もある父親をコミカルに演じ、インド国内の映画賞である国際インド映画アカデミー賞、スター・スクリーン・アワード、フィルムフェア賞で主演男優賞3冠を果たした。 また、美しき妻で教育ママのミータを演じるのは、パキスタンで最も活躍するトップ女優のひとり サバー・カマル。 本作がインド映画初出演となった。 監督は、『アショカ大王』『結婚の裏側』のサケート・チョードリー。 本作では国際インド映画アカデミー賞で監督賞、フィルムフェア賞で最優秀作品賞を獲得した。 現代インドでよい仕事を得るための必須スキルとされ、教育の質を測る上で重要視されている英語。 本作は、インドで実際にあった「父親が学位しか持っていなかったため娘の入学を拒否された」という驚愕の出来事を基に、ラージとミータと同じように高等教育を受けることができなかった親たちへの丁寧なヒアリングを経て製作。 『ヒンディー・ミディアム』は9月6日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。 《cinemacafe. net》.

次の

映画『ヒンディー・ミディアム』インドのお受験事情を笑いあり涙ありで

ヒンディー ミディアム

受験のために高級な衣装を身にまとった二人だが…… デリーの下町で洋品店を営むラージ・バトラ(イルファーン・カーン)は仕事熱心だが英語を話すことができない。 一方、妻のミータ(サバー・カマル)は教育熱心で娘を進学校に入れることを考えている。 ところが親の教育水準や居住地までが合否に影響することを知り、にわかに身なりを改め高級住宅地へ引っ越すが、その努力も甲斐なく受験の結果は全滅。 落胆する2人は有名進学校が低所得者層向け優先枠を設けているという話に飛び付き、今度は貧民街に引っ越すが……。 さすがに受験のため貧民街に引っ越したという事例は我が国では聞かないが、それでも有名進学校への越境入学や受験資格を得るための一家移住等は話題に上る。 果ては子供の留学に合わせ、働きバチの夫を単身残留させてのアメリカやカナダへの母子移住も東アジア共通の現象といえる。 子のためなら多少の犠牲は仕方がないということなのだろうか。 一転して有名進学校の低所得者層向け優先枠を目指して願書受付に並ぶバトラ 日本とよく似ているなと感じたのは娘の合格祈願のため本来の宗派に関係なく手あたり次第に寺院を回り「娘を合格させてほしい」と願掛けする両親の健気な姿である。 これも日本人がご利益のありそうなお寺や神社を次々に回って拝むのとそっくりで、子を思う親の気持ちは万国共通だなと親近感がわく。 そして「娘さんは出遅れています!」と受験コンサルタントから宣告されるシーンも受験競争の激しさを具体的に感じられ身につまされるのである。 このように本作品の強みはサケート・チョードリー監督がインドで過熱するお受験事情を多少の誇張も交えながらリアルに再現しているからであろう。 合格のために受験コンサルタントから指導を仰ぐバトラ夫妻 監督の視点がもう一つ優れているのは、インドの格差社会をコメディータッチながらしっかり描いている点だ。 ミドルクラスといえるバトラ夫妻が娘の受験のためとはいえ慣れ親しんだ下町から高級住宅地、さらに貧民街へと移り住むたびに住まいや身なり、日常話す言葉まで劇的に変わっていく姿は象徴的。 とくに高級住宅地の住人は主に英語を話す機会が多く、インドでは英語の運用能力が社会的な階層を示す記号になっていることがうかがえる。 そういえば「マダム・イン・ニューヨーク」でも主婦のシャシ(シュリデヴィ)が英語コンプレックスをはねのけて女性としての誇りと自信を取り戻していく姿は感動的だった。 それはすなわち英語運用能力が経済的にも社会的にもステータスの高さを約束してくれる実情を表しているといえないだろうか。 だからこそ英語での授業が基本となる進学校がもてはやされる理由にもなっている。 さて、物語は夫婦そろっての涙ぐましい努力が実り何とか娘の合格を勝ち取るのだが、良心のとがめを感じたことから小さなほころびが広がり……と後半はしんみりさせられる。

次の