ジョジョ ラビット 映画。 T・ワイティティ、監督・脚本・ヒトラー役も! コメディを武器に偏見や独裁に挑んだ『ジョジョ・ラビット』

宇多丸、『ジョジョ・ラビット』を語る!【映画評書き起こし2020.2.14放送】

ジョジョ ラビット 映画

この映画が大好きですと最初に断った上で言うと、かなりスレスレな作品だとは思う。 タイカ・ワイティティがホロコーストの歴史を茶化すつもりでコメディ調に仕立てたわけではないことは、この映画を観た人にはよくわかると思うが、冒頭からビートルズ、トム・ウェイツ、デヴィッド・ボウイなど、第二次大戦下では存在すらしなかったポップソングを流しまくり、色調もポップなら、極端に戯画化されたキャラクターも多い。 まさかそのまま「コレが歴史だ」と勘違いする人はいないだろうが、題材が題材だけに、人類史上未曾有の悲劇をここまでポップにしていいのか、という疑念は湧く。 ほんの一瞬だけだけど。 一度浮かんだ疑念が消し飛んだのは、本作が決して「歴史を再現しよう」という意図では作られていないから。 もちろんナチスがホロコーストが背景にあるが、当時の世相が抱えていた社会の問題は、容易に現代に生きるわれわれ自身と重ねることができる。 全体主義がもたらす同調圧力、国家的高揚や熱狂の落とし穴、信念の大切さと個人レベルの無力さ……。 この映画が歴史に忠実なホロコースト映画だったら、過去の重みに圧倒されたかも知れないが、ここまで自分たちと結びつける親和性を獲得できただろうか。 つまりワイティティは、あくまでも現代に生きるわれわれのためのこの映画を撮ったのだと思う。 甘い口当たりと同じくらい、切実な本気が宿っている。 ネタバレ! クリックして本文を読む 「ナチス」というと冗談では済まされないタブー感が突き刺さってやまないが、本作は幕が上がるやナチュラルにその世界へと誘われる。 子供の純粋さを利用して巧妙に忍びよるプロパガンダの恐ろしさが、このメルヘンチックなドラマから痛いほど伝わってくるのだ。 そうした特殊構造を深く知るためにも、我々はこの映画を警戒するのではなく、まずは思い切って乗ってみるべきなのだろう。 思春期というものが純粋さから穢れへの移行期だとするなら、本作が描くのはその反転だ。 少年が純粋だと思い込んでいたものは実は違った。 彼は多くの大切なものを失う過程で、穢れの中から手探りで真実を見つけ出そうとする。 真実とは何かを判断できる位置までたどり着こうと必死に手を伸ばすのだ。 そういった意味での成長ドラマがここにある。 上映中『ライフ・イズ・ビューティフル』のことを思い出していた。 真逆の世界ではあるが、どこか通底している気がしてならない。 第二次大戦下のドイツで、幻のヒトラーと対話しながら暮らす小心者の少年、ジョジョの物語は、描き尽くされてきたホロコーストにユーモアを持ち込んで異色の世界の構築している。 アートワークはウェス・アンダーソンのそれを彷彿とさせるジオラマ的でシンメトリーな作りで、ファッションも小粋。 音楽のエッジィさは言うまでもない。 ユーモアや凝ったプロダクション・デザインの隙間からこぼれ落ちてくる戦争の悲惨が返って観客の心を打ちのめすことも確かだが、監督のタイカ・ワイティティは、ジョジョの家に隠れ住むユダヤ人少女、エルサに希望を託すことで、見る側の心も気持ちよく解放してくれる。 エルサはナチスによってその命を奪われたアンネ・フランクの化身であり、アンネに代わってその後の人生を開拓していったであろう希望の証なのだ。 冒頭、ヒトラーに熱狂する群衆の記録映像に、ビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版をかぶせる風刺のセンス!現在の視点から当時のドイツ人を批判するのは容易だが、彼らにとってヒトラーはまさにロックスターのような崇拝の対象、偶像=アイドルだったのだ。 本来シリアスなナチスやユダヤ人迫害を題材にした映画でも、近年は作り手・観客ともに相対的、客観的に扱える世代が増えたせいか、ユーモアを活かしたコミカルな作品が増えてきた。 そうした作品群の中でも、本作のユニークさ、チャーミングさは格別。 ドイツ人少年ジョジョとユダヤの娘エルサを演じた2人の魅力に負うところが大きいし、とりわけジョジョの変化や成長を精妙に描写したタイカ・ワイティティ監督の手腕にも感嘆した。 デヴィッド・ボウイがベルリンの壁のそばで会う恋人たちに着想を得たという「ヒーローズ」のドイツ語版が流れるラストも最高。 洋楽好きにもおすすめしたい。 ネタバレ! クリックして本文を読む ナチスを題材にし、軽快なコメディに。 下手にやれば凡作か駄作になっていただろう。 が、そうはならなかった。 タイカ・ワイティティという才人の手腕。 称賛の声に溢れていたが、評判違わぬ良作! 立派なヒトラーユーゲントになる事を夢見る10歳のドイツ人少年ジョジョくん。 彼の名は、アドルフ。 総統やナチスへの忠誠心強く、親友のアドルフに支えられ、目指せ!立派なヒトラーユーゲント! …だけど、やっちゃったんだな…。 ヘマしてユーゲント訓練から外され、雑用係に…。 僕はママと2人暮らし。 美人で利発的でユーゲントの大尉にも物怖じせずズケズケ言うほど強い性格。 でも、いつも靴紐を結んでくれる優しいママ。 家の壁の中から物音が。 恐る恐る壁の中の隠し部屋に入ってみると… そこに、おぞましいユダヤ人が! 僕よりちょっと年上の少女で、亡き姉の友達だったというエルサ。 いつからここに棲み付いた? ママに催眠術でも掛けたな! このユダヤ人め! よ~し、通報してやる! でもこのユダヤ人、ユダヤ人にしてはちょっと頭が良く それにユダヤ人にしてはまあまあ可愛く 、僕を脅して来やがった! 通報したらユダヤ人を匿っていたと言い、ママも罪に問われる。 ママを守る為に、ここは一旦様子見。 そうだ、このユダヤ人からユダヤ人の事について色々聞き出してやる。 そしたらママを守る事にもなるし、総統やナチスの為にもなるし、他のユダヤ人を見付ける事も出来る。 一石三鳥! 別にずっと家に居るからって訳じゃないけど、毎日のようにあのユダヤ人と話す機会が多くなる。 話を色々聞き出し、ユダヤ人の秘密を暴く本を書く為なんだけど、彼女と話す事が何だかちょっと楽しみに。 それと、何なんだろう、このお腹の中で蝶が羽ばたくようなムズムズするような感じは…? 僕、一体どうしちゃったんだろう…? そんなジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスくんの演技が見事! 大人の役者でも難しい戦時下に於ける善悪の視点の変わりようを、子供ならではのユーモアや純真さで絶妙に体現している。 それ故ある悲劇のシーンでは涙を誘う。 新星現る! 彼もいいが、エルサ役のトーマシン・マッケンジーの聡明さと美少女っぷりに、見てるこちらもお腹の中で蝶が羽ばたく。 あるシーンでユダヤ人なのに「ハイル・ヒトラー!」と言わざるを得なくなり、ユダヤ人が侮辱されそれに堪えなくてはならぬシーンもあり、その辛さも滲ませる。 今後の活躍に大期待! サム・ロックウェルは『リチャード・ジュエル』に続き好演。 終盤のネタバレになるが、ナチスでありながらエルサを庇い、最後のあるシーンでジョジョも助け、出番はそんなに多くないが、美味しい所を持っていくさすがの巧者! そして、ママ役のスカーレット・ヨハンソン。 この美しく、愛溢れたママが居たからこそ、作品に華と優しさが出た。 顔に墨を付け一人でママとパパのフリをするシーンやジョジョと2人でサイクリングするシーンだけでも、作品の中で特に印象を残す。 それだけに、あのシーンは…。 レベル・ウィルソンのコメディエンヌぶりや、ヨーキーくんにもほっこり。 それにしても本当に、ワイティティの才に唸らされる。 覆すほどポップで陽気に。 映像面もハートフル、美術や衣装もカラフル。 ビートルズやデヴィット・ボウイの曲に乗せて。 ワイティティ本人もアドルフ役で出演。 かなりの大袈裟演技。 歴史に残る大罪を犯したナチスを面白可笑しくコメディにして、大丈夫…? 批判されない…? これでいいのだ。 コメディにして、笑いのネタにして、より皮肉と痛烈なメッセージ。 笑えれば笑えるほど。 そこに、少年の淡い初恋物語。 過去の名作映画へのオマージュも。 靴紐を結ぶシーンや似たような画面構図など伏線も巧み。 でも、意表を突くブラック・コメディだけじゃない。 しっかり訴えている。 突然ゲシュタポが家に押し入る。 大尉やエルサの機転でハラハラの危機を免れるけど、何故…? そして、広場で見付けてしまった。 ママが…。 ユダヤ人を匿ったから、ママは…。 ユダヤ人が憎い。 大好きな僕のママを…。 どっちが正義で、どっちが悪者…? ある日突然、戦局が変わった。 勝利間違いナシと思っていたナチスが敗北。 親友の…いや、本物のアドルフは自殺。 その偉大なる総統こそ本当の悪者で、僕らを騙していた。 ユダヤ人は僕らと変わらぬ同じ人間で、ヒトラーはユダヤ人にとてもとても酷い事をしていた。 でも、彼らも本当に正義の味方…? 僕を捕まえ、連行しようとする。 その時助けてくれたのが、大尉。 大尉はいい人だ。 その大尉をアメリカ軍は…。 きっと、戦争で皆が世界が、全てがおかしくなったんだ。 子供の僕には分からない。 分かっている事は、一つ。 エルサを助ける。 この愚かな戦争で、一番の正義は、敵を殺す事じゃない。 誰かを守り、助ける勇気。 今、やれる事をやる。 ナチスが仕掛けた戦争は終わったけど、この世界から戦争は無くなるのかな…? 人種の偏見や差別も無くなるのかな…? 分からないし、まだまだ遠いかもしれないけど、束の間でもこの自由と解放に、さあ踊ろう。 ネタバレ! クリックして本文を読む 「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。 まあ、気楽に戦争を茶化した映画を観ればいい。 」 なんて思いながら観てたんですが。 「 戦争をはじめるのは簡単なことだ)、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。 簡単なことだ。 自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。 そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。 この方法はどの国でも同じように通用するものだ。 」(H. ゲーリング) ヒトラーに忠誠を誓い、一人前の大人になるために、つまり、世界に冠たるドイツ国民として、ヒトラーユーゲントのキャンプに参加する10歳の少年ヨハネス 指導教官が陸軍大尉のクレンツェンドルフ 日本の戦争末期と同じく、まともに軍事情勢を判断できる将校なら、敗戦は間近であることは分かっている。 戦場がどのような場所であるかを知っていたのだろう、子どもたちを今更戦争に巻き込もうなんて気はなく、ヒトラーに忠誠を誓う子どもたちの戦争ごっこに付き合う。 ヨハネスの母ロージーと、この大尉だけが、正常な判断力を維持しているドイツ人として登場する。 たいていのアメリカ映画は、どんなに残虐非道な映画でもアメリカの民主主義の権化みたいのが登場して、、、、大抵、生き残る。 映画を観て言る側は、その民主主義の権化に自分を投影するものだから、ホッとして映画館を出ることができる。 しかし、この映画のクレンツェンドルフ大尉も、ロージーも生き残りはしない。 ゲシュタポに身分証明書を見せるように迫られたユダヤ人エルサは、死んだヨハネスの姉の身分証明書を見せようとするが、とっさにクレンツェンドルフ大尉がそれを取り上げ、身分を確認する。 「生年月日は?」 「1929年5月1日」 身分証明書にある日付は、5月7日だった。 しかし、クレンツェンドルフ大尉はそれを不問にして、エルサを解放する。 クレンツェンドルフ大尉とロージーに守られたヨハネスとエルサは、生き残る。 ヨハネスとエルサは、ロージーが自由な人がそれをすると言ったダンスを始め、映画が終わる。 これは「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。 」と思っていたが、「今の日本に向けた映画だったか」と思った。 ネタバレ! クリックして本文を読む ナチスというおもーーーーい事を、コメディでわかりやすく表現、皮肉混じりで、ナチスのヤバさが伝わってくる。 最高だった。 ヘイヒトラーって何回も何回も言うところ、あそこが1番、皮肉皮肉!って感じで、すごかった。 あのやばさを、笑いにしてる。 もっとたくさんの人に見て欲しいし、語りたい!って思った。 ジョジョラビットっていう題名にしたっていうところも、、、、うん、見てください。 笑ファッションとして、スカーレットが着てるもの、メイク、靴全てが最高だった。 スカーレットの子供への見方がすごいすき。 愛がとっっっても伝わってくる。 すごい発見!この監督さん、マンダロリアンの人なの!!!なんとなく、似てるなぁと思ったけれど、まさかすぎた。 ヒーローものも、こういうコメディも作れる、、すごい。 【賛否両論チェック】 賛:心優しき少年が、ユダヤ人少女との出逢いや、迫害の現実を通して、1人の人間として成長していく姿が、どこかユーモラスに描かれていくのが秀逸。 反戦へのメッセージも印象的。 否:凄惨な状況下をあえてユーモラスに描いているので、その独特な世界観への好き嫌いは分かれそう。 1人のユダヤ人少女と出逢った、ナチスに傾倒する心優しき少年。 そんな彼が迫害の悲劇を目の当たりにしていくうちに、少しずつ何かが変わっていく姿を、想像上の親友・アドルフとのやり取りなんかを通して、どこかユーモラスに描いていくのが印象に残ります。 そして物語の後半、その空気感が突然変わる瞬間があります。 個人的にも完全に油断していたので、 「えっ!?」 っと驚いてしまいました。 それまでのユーモラスな雰囲気から、戦争の本当の凄惨さをハッキリと突きつけられたようで、改めてドキッとさせられました。 その世界観は好みが分かれそうではありますが、1人の少年の成長を独特の不思議な角度で切り取った反戦映画ですので、是非チェックしてみて下さい。

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映画『ジョジョ・ラビット』のネタバレ・感想&解説。ラストのダンスの意味とは。アカデミー賞ノミネート作品の評価は?

ジョジョ ラビット 映画

第二次世界大戦中のドイツを舞台に、戦時下に生きる人々の姿をユーモアたっぷりに描く。 主人公の少年ジョジョを、今作が初主演となるローマン・グリフィン・デイビスが務め、ジョジョの空想上の友達であるアドルフ・ヒトラー役をワイティティ監督自らが演じる。 -Movie Walker-  あらすじ<STORY> 第二次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、立派な兵士になるため、空想上の友達であるアドルフの助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで奮闘する日々を送っていた。 そんなある時、自宅の壁裏で母親が匿っていたユダヤ人の少女エルサと出会う。 嗚咽のように号泣。 「大人の女って何?」 「嬉しいときも悲しいときもシャンパンを飲むこと。 恐れずに人を信じること。 」 素晴らしいスカーレット・ヨハンソンの名台詞に更に泣く。 もうホントみんなに絶対見てほしいと思える作品!!! 猛プッシュ。 尖ったギャグのオンパレードでありながら、 人類の暗部に向き合って立ち向かっていく、 新しい世代の『ライフ・イズ・ビューティフル』みたいに 語り継がれていくであろう正真正銘の傑作だと思います。 敢えて不謹慎な題材を描き、戦争をゼロから「考え直す」反戦のラブストーリー。 たまらなく泣きました。 多くの方に届きますように。 ナチスの蛮行を描く際、事実そのままのリアリズムでは とてもそのグロテスクさを表現できないという批判的意見がある。 そのため、『ブリキの太鼓』等ではファンタジー形式を取っているが、 これも手法は似ている。 空想友達アドルフに鼓舞され盲信ジョジョ少年が 臆病と闘いながらも何かがおかしい世界を見つめる。 惨さを濁りない子供ら視点で捉え歴史の愚を物凄い純度で伝える。 戦争映画は山ほどあれど、また名作が生まれてしまった。 戦争は人類史上最悪な出来事。 にも関わらず感動や教訓をこんなにも産み出す元となるのもまた事実。 コメディ調ではじめてきっちりと落とす。 主人公の少年の成長譚、戦争映画、ラブロマンスの いろんな要素を詰め込んでいる割にはスッキリしていた。 戦争映画の評価は難しいし、 描き方のタッチも賛否両論ありそうだけど、良作だと思う。 ポスターを真面目に観てなかったので、 アルフィー・アレンが出てるのに気づいて、おおっとなりました。 敗戦濃厚なドイツを生きる子どもを描いた、全方位に皮肉を放つ物語。 少年を元気づけたのも少年が乗り越えたものもナチスというのがまた良い。 戦争を美化した映画も、無辜の民の悲劇を使った 説教臭い映画も、もういらない。 すごく面白かった。 退屈しないがゆったりと進む前半から怒涛の終盤まで、いろいろなテンポが楽しめるよ。 脚本も編集もいいから映画としての出来はすこぶる良いけど、 それよりも感情的に大好きなのよ、この映画。 コメディ的な手法でしんどい現実を描くバランス感覚、本当に凄いです。 それにしてもスカーレット・ヨハンソンとサム・ロックウェルが良すぎた。 戦争イクナイ。 3分で恋に落ち次の5分で本作の思想に くすくす笑いながら共感し2人と一緒に冒険に繰り出す。 ある瞬間から嗚咽の音漏れ堪え続ける数十分の後、 映画にしかあぁ映画にしか表現できない希望に包まれエンドロール。 あーだめだ溢れる。 今日はもう映画みない。 小気味のいいコメディ要素はあるけど、 ナチス時代のドイツ国内の恐ろしい所が垣間見える瞬間にゾッとする効果が増す。 ある少女との交流とイマジナリーフレンドのヒトラーのやり取りの差と変化も面白い。 おかげで戦争の生臭さが笑いに転じていくので、 後半まで、見ていて辛くならない。 「ヒトラー」を演じる監督のうさん臭さもいいが、 母親を演じるスカ女がカッコいい。 ニーチェもこんな言葉を残してる。 踊ること自体には意味などなく、 その踊っている瞬間瞬間がどこまでも美しく、 その瞬間に没入すること自体が生きる上でもっとも重要なことである。 しっかり辛いしハラハラするし切ないけど、 ウェス・アンダーソンの映画のようなかわいさとおかしみを備えてる。 それと色彩の感覚が抜群!! 戦争テーマの映画ですきになったの初めてです。 泣いた。 観る前はイマジナリーヒトラーとドッタンバッタン大騒ぎする話かと思ってたけど、 笑わせてくれつつしっかり戦争の映画で胸を打つぜ。 10歳のドイツ人少年から見た戦争が素直な形で描かれている。 ナチスに心酔し、友達は空想上のヒトラーと大胆な設定。 そんな彼の倫理観が揺らぎ始める様を、悲哀とユーモアたっぷりに描く。 戦争と人の関係をシニカルに見つめている。 笑いあり、恋愛あり、地獄ありの素晴らしい映画だった。 妄想や偏見を乗り越えた先に素晴らしい世界が待っているのだと思った。 ありがとうワイティティ.... 最高にチャーミングな箱庭的世界を一気におぞましくするあるシーンにも驚愕。 美も恐怖も経験して大人になる。 ホントにその通りだ。 ジョジョとその友達が泣いたり笑ったり悩んだり、砲弾から逃げ回ったり…😭 全員ギュッと抱き締めてあげたくなる。 ナチ志望の靴紐も結べない少年が誰かの靴紐を結んであげるまでの物語。 戦争の、決別の、人生の過酷と悲痛を、フレッシュでブラックで 軽やかな笑いの中に描ききった奇跡。 「"それでも"人生は素晴らしい」と100年ぶりに私に思わせた映画。 時々混ざる陰惨な戦争風景の中 母との穏やかな暮らしはある時を境に一変する タイカ・ワイティティ監督らしい笑いと尖った描写、 この世で何より強いものとは。 ウサギが死にます。 第二次大戦終盤のドイツを舞台に、幼い主人公の見る理想の世界、 それを次々に壊していく現実、それを乗り越え成長していく主人公の姿に心打たれる良作。 サム・ロックウェル演じるクレンツェンドルフ大尉がいいキャラしててよかった。

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ジョジョ・ラビット

ジョジョ ラビット 映画

この映画が大好きですと最初に断った上で言うと、かなりスレスレな作品だとは思う。 タイカ・ワイティティがホロコーストの歴史を茶化すつもりでコメディ調に仕立てたわけではないことは、この映画を観た人にはよくわかると思うが、冒頭からビートルズ、トム・ウェイツ、デヴィッド・ボウイなど、第二次大戦下では存在すらしなかったポップソングを流しまくり、色調もポップなら、極端に戯画化されたキャラクターも多い。 まさかそのまま「コレが歴史だ」と勘違いする人はいないだろうが、題材が題材だけに、人類史上未曾有の悲劇をここまでポップにしていいのか、という疑念は湧く。 ほんの一瞬だけだけど。 一度浮かんだ疑念が消し飛んだのは、本作が決して「歴史を再現しよう」という意図では作られていないから。 もちろんナチスがホロコーストが背景にあるが、当時の世相が抱えていた社会の問題は、容易に現代に生きるわれわれ自身と重ねることができる。 全体主義がもたらす同調圧力、国家的高揚や熱狂の落とし穴、信念の大切さと個人レベルの無力さ……。 この映画が歴史に忠実なホロコースト映画だったら、過去の重みに圧倒されたかも知れないが、ここまで自分たちと結びつける親和性を獲得できただろうか。 つまりワイティティは、あくまでも現代に生きるわれわれのためのこの映画を撮ったのだと思う。 甘い口当たりと同じくらい、切実な本気が宿っている。 ネタバレ! クリックして本文を読む 「ナチス」というと冗談では済まされないタブー感が突き刺さってやまないが、本作は幕が上がるやナチュラルにその世界へと誘われる。 子供の純粋さを利用して巧妙に忍びよるプロパガンダの恐ろしさが、このメルヘンチックなドラマから痛いほど伝わってくるのだ。 そうした特殊構造を深く知るためにも、我々はこの映画を警戒するのではなく、まずは思い切って乗ってみるべきなのだろう。 思春期というものが純粋さから穢れへの移行期だとするなら、本作が描くのはその反転だ。 少年が純粋だと思い込んでいたものは実は違った。 彼は多くの大切なものを失う過程で、穢れの中から手探りで真実を見つけ出そうとする。 真実とは何かを判断できる位置までたどり着こうと必死に手を伸ばすのだ。 そういった意味での成長ドラマがここにある。 上映中『ライフ・イズ・ビューティフル』のことを思い出していた。 真逆の世界ではあるが、どこか通底している気がしてならない。 第二次大戦下のドイツで、幻のヒトラーと対話しながら暮らす小心者の少年、ジョジョの物語は、描き尽くされてきたホロコーストにユーモアを持ち込んで異色の世界の構築している。 アートワークはウェス・アンダーソンのそれを彷彿とさせるジオラマ的でシンメトリーな作りで、ファッションも小粋。 音楽のエッジィさは言うまでもない。 ユーモアや凝ったプロダクション・デザインの隙間からこぼれ落ちてくる戦争の悲惨が返って観客の心を打ちのめすことも確かだが、監督のタイカ・ワイティティは、ジョジョの家に隠れ住むユダヤ人少女、エルサに希望を託すことで、見る側の心も気持ちよく解放してくれる。 エルサはナチスによってその命を奪われたアンネ・フランクの化身であり、アンネに代わってその後の人生を開拓していったであろう希望の証なのだ。 冒頭、ヒトラーに熱狂する群衆の記録映像に、ビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版をかぶせる風刺のセンス!現在の視点から当時のドイツ人を批判するのは容易だが、彼らにとってヒトラーはまさにロックスターのような崇拝の対象、偶像=アイドルだったのだ。 本来シリアスなナチスやユダヤ人迫害を題材にした映画でも、近年は作り手・観客ともに相対的、客観的に扱える世代が増えたせいか、ユーモアを活かしたコミカルな作品が増えてきた。 そうした作品群の中でも、本作のユニークさ、チャーミングさは格別。 ドイツ人少年ジョジョとユダヤの娘エルサを演じた2人の魅力に負うところが大きいし、とりわけジョジョの変化や成長を精妙に描写したタイカ・ワイティティ監督の手腕にも感嘆した。 デヴィッド・ボウイがベルリンの壁のそばで会う恋人たちに着想を得たという「ヒーローズ」のドイツ語版が流れるラストも最高。 洋楽好きにもおすすめしたい。 ネタバレ! クリックして本文を読む ナチスを題材にし、軽快なコメディに。 下手にやれば凡作か駄作になっていただろう。 が、そうはならなかった。 タイカ・ワイティティという才人の手腕。 称賛の声に溢れていたが、評判違わぬ良作! 立派なヒトラーユーゲントになる事を夢見る10歳のドイツ人少年ジョジョくん。 彼の名は、アドルフ。 総統やナチスへの忠誠心強く、親友のアドルフに支えられ、目指せ!立派なヒトラーユーゲント! …だけど、やっちゃったんだな…。 ヘマしてユーゲント訓練から外され、雑用係に…。 僕はママと2人暮らし。 美人で利発的でユーゲントの大尉にも物怖じせずズケズケ言うほど強い性格。 でも、いつも靴紐を結んでくれる優しいママ。 家の壁の中から物音が。 恐る恐る壁の中の隠し部屋に入ってみると… そこに、おぞましいユダヤ人が! 僕よりちょっと年上の少女で、亡き姉の友達だったというエルサ。 いつからここに棲み付いた? ママに催眠術でも掛けたな! このユダヤ人め! よ~し、通報してやる! でもこのユダヤ人、ユダヤ人にしてはちょっと頭が良く それにユダヤ人にしてはまあまあ可愛く 、僕を脅して来やがった! 通報したらユダヤ人を匿っていたと言い、ママも罪に問われる。 ママを守る為に、ここは一旦様子見。 そうだ、このユダヤ人からユダヤ人の事について色々聞き出してやる。 そしたらママを守る事にもなるし、総統やナチスの為にもなるし、他のユダヤ人を見付ける事も出来る。 一石三鳥! 別にずっと家に居るからって訳じゃないけど、毎日のようにあのユダヤ人と話す機会が多くなる。 話を色々聞き出し、ユダヤ人の秘密を暴く本を書く為なんだけど、彼女と話す事が何だかちょっと楽しみに。 それと、何なんだろう、このお腹の中で蝶が羽ばたくようなムズムズするような感じは…? 僕、一体どうしちゃったんだろう…? そんなジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスくんの演技が見事! 大人の役者でも難しい戦時下に於ける善悪の視点の変わりようを、子供ならではのユーモアや純真さで絶妙に体現している。 それ故ある悲劇のシーンでは涙を誘う。 新星現る! 彼もいいが、エルサ役のトーマシン・マッケンジーの聡明さと美少女っぷりに、見てるこちらもお腹の中で蝶が羽ばたく。 あるシーンでユダヤ人なのに「ハイル・ヒトラー!」と言わざるを得なくなり、ユダヤ人が侮辱されそれに堪えなくてはならぬシーンもあり、その辛さも滲ませる。 今後の活躍に大期待! サム・ロックウェルは『リチャード・ジュエル』に続き好演。 終盤のネタバレになるが、ナチスでありながらエルサを庇い、最後のあるシーンでジョジョも助け、出番はそんなに多くないが、美味しい所を持っていくさすがの巧者! そして、ママ役のスカーレット・ヨハンソン。 この美しく、愛溢れたママが居たからこそ、作品に華と優しさが出た。 顔に墨を付け一人でママとパパのフリをするシーンやジョジョと2人でサイクリングするシーンだけでも、作品の中で特に印象を残す。 それだけに、あのシーンは…。 レベル・ウィルソンのコメディエンヌぶりや、ヨーキーくんにもほっこり。 それにしても本当に、ワイティティの才に唸らされる。 覆すほどポップで陽気に。 映像面もハートフル、美術や衣装もカラフル。 ビートルズやデヴィット・ボウイの曲に乗せて。 ワイティティ本人もアドルフ役で出演。 かなりの大袈裟演技。 歴史に残る大罪を犯したナチスを面白可笑しくコメディにして、大丈夫…? 批判されない…? これでいいのだ。 コメディにして、笑いのネタにして、より皮肉と痛烈なメッセージ。 笑えれば笑えるほど。 そこに、少年の淡い初恋物語。 過去の名作映画へのオマージュも。 靴紐を結ぶシーンや似たような画面構図など伏線も巧み。 でも、意表を突くブラック・コメディだけじゃない。 しっかり訴えている。 突然ゲシュタポが家に押し入る。 大尉やエルサの機転でハラハラの危機を免れるけど、何故…? そして、広場で見付けてしまった。 ママが…。 ユダヤ人を匿ったから、ママは…。 ユダヤ人が憎い。 大好きな僕のママを…。 どっちが正義で、どっちが悪者…? ある日突然、戦局が変わった。 勝利間違いナシと思っていたナチスが敗北。 親友の…いや、本物のアドルフは自殺。 その偉大なる総統こそ本当の悪者で、僕らを騙していた。 ユダヤ人は僕らと変わらぬ同じ人間で、ヒトラーはユダヤ人にとてもとても酷い事をしていた。 でも、彼らも本当に正義の味方…? 僕を捕まえ、連行しようとする。 その時助けてくれたのが、大尉。 大尉はいい人だ。 その大尉をアメリカ軍は…。 きっと、戦争で皆が世界が、全てがおかしくなったんだ。 子供の僕には分からない。 分かっている事は、一つ。 エルサを助ける。 この愚かな戦争で、一番の正義は、敵を殺す事じゃない。 誰かを守り、助ける勇気。 今、やれる事をやる。 ナチスが仕掛けた戦争は終わったけど、この世界から戦争は無くなるのかな…? 人種の偏見や差別も無くなるのかな…? 分からないし、まだまだ遠いかもしれないけど、束の間でもこの自由と解放に、さあ踊ろう。 ネタバレ! クリックして本文を読む 「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。 まあ、気楽に戦争を茶化した映画を観ればいい。 」 なんて思いながら観てたんですが。 「 戦争をはじめるのは簡単なことだ)、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。 簡単なことだ。 自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。 そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。 この方法はどの国でも同じように通用するものだ。 」(H. ゲーリング) ヒトラーに忠誠を誓い、一人前の大人になるために、つまり、世界に冠たるドイツ国民として、ヒトラーユーゲントのキャンプに参加する10歳の少年ヨハネス 指導教官が陸軍大尉のクレンツェンドルフ 日本の戦争末期と同じく、まともに軍事情勢を判断できる将校なら、敗戦は間近であることは分かっている。 戦場がどのような場所であるかを知っていたのだろう、子どもたちを今更戦争に巻き込もうなんて気はなく、ヒトラーに忠誠を誓う子どもたちの戦争ごっこに付き合う。 ヨハネスの母ロージーと、この大尉だけが、正常な判断力を維持しているドイツ人として登場する。 たいていのアメリカ映画は、どんなに残虐非道な映画でもアメリカの民主主義の権化みたいのが登場して、、、、大抵、生き残る。 映画を観て言る側は、その民主主義の権化に自分を投影するものだから、ホッとして映画館を出ることができる。 しかし、この映画のクレンツェンドルフ大尉も、ロージーも生き残りはしない。 ゲシュタポに身分証明書を見せるように迫られたユダヤ人エルサは、死んだヨハネスの姉の身分証明書を見せようとするが、とっさにクレンツェンドルフ大尉がそれを取り上げ、身分を確認する。 「生年月日は?」 「1929年5月1日」 身分証明書にある日付は、5月7日だった。 しかし、クレンツェンドルフ大尉はそれを不問にして、エルサを解放する。 クレンツェンドルフ大尉とロージーに守られたヨハネスとエルサは、生き残る。 ヨハネスとエルサは、ロージーが自由な人がそれをすると言ったダンスを始め、映画が終わる。 これは「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。 」と思っていたが、「今の日本に向けた映画だったか」と思った。 ネタバレ! クリックして本文を読む ナチスというおもーーーーい事を、コメディでわかりやすく表現、皮肉混じりで、ナチスのヤバさが伝わってくる。 最高だった。 ヘイヒトラーって何回も何回も言うところ、あそこが1番、皮肉皮肉!って感じで、すごかった。 あのやばさを、笑いにしてる。 もっとたくさんの人に見て欲しいし、語りたい!って思った。 ジョジョラビットっていう題名にしたっていうところも、、、、うん、見てください。 笑ファッションとして、スカーレットが着てるもの、メイク、靴全てが最高だった。 スカーレットの子供への見方がすごいすき。 愛がとっっっても伝わってくる。 すごい発見!この監督さん、マンダロリアンの人なの!!!なんとなく、似てるなぁと思ったけれど、まさかすぎた。 ヒーローものも、こういうコメディも作れる、、すごい。 【賛否両論チェック】 賛:心優しき少年が、ユダヤ人少女との出逢いや、迫害の現実を通して、1人の人間として成長していく姿が、どこかユーモラスに描かれていくのが秀逸。 反戦へのメッセージも印象的。 否:凄惨な状況下をあえてユーモラスに描いているので、その独特な世界観への好き嫌いは分かれそう。 1人のユダヤ人少女と出逢った、ナチスに傾倒する心優しき少年。 そんな彼が迫害の悲劇を目の当たりにしていくうちに、少しずつ何かが変わっていく姿を、想像上の親友・アドルフとのやり取りなんかを通して、どこかユーモラスに描いていくのが印象に残ります。 そして物語の後半、その空気感が突然変わる瞬間があります。 個人的にも完全に油断していたので、 「えっ!?」 っと驚いてしまいました。 それまでのユーモラスな雰囲気から、戦争の本当の凄惨さをハッキリと突きつけられたようで、改めてドキッとさせられました。 その世界観は好みが分かれそうではありますが、1人の少年の成長を独特の不思議な角度で切り取った反戦映画ですので、是非チェックしてみて下さい。

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