魔法 世界 の 受付 嬢 に なりたい です。 B's

魔法世界の受付嬢になりたいです(漫画)最終回のネタバレと感想!結末が気になる!|漫画ウォッチ

魔法 世界 の 受付 嬢 に なりたい です

魔法がある世界。 私は小さい頃から、そこでなりたいものがあった。 それはとある場所の『受付のお姉さん』。 でもそこは超一流の魔法使いじゃないとなれないのだ、と両親から言われる。 ……一流?それがどうした。 だからなんなんだ。 じゃあ一流になれるように頑張れば良いんじゃないか!そう考えた私は、魔法の学校で勉強を一生懸命頑張った。 誰にも負けないように頑張った。 公爵の息子とか王子とか貴族達がいる中でも、庶民の意地を見せて、一番になれるように頑張った。 根性だ根性。 そして数年後、努力の末に私は見事念願の『受付のお姉さん』になることが出来た。 でもそれは、予想以上に大変な仕事だった。 ……という、受付嬢になるまでの道のりと、なってからの主人公の日常を淡々と描いていきます。 コミックス1巻は2019年11月5日より発売中。

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魔法世界の物語につきまして|まこの活動報告

魔法 世界 の 受付 嬢 に なりたい です

完結前に書いて死蔵していたものです。 しかも小説を初めて書いたうえ途中で力尽きています。 お目汚しのところも多々あるかもしれませんが、 よろしくお願いします。 豆腐メンタルのためもし気に入られなかった際も オブラートに包んで言って頂けると助かります。 (すぐに下げますので) あと、ごめんなさい題名は思いつきませんでした [newpage] 「ナナリー!そろそろ時間でしょ?仕度できた~?」 「は~い、今行きます!」 シュテーダルの脅威が去って3ヶ月経った、今日は王宮で勝利を祝って夜会が行われる。 あの戦いで戦った者は全員呼ばれる予定だ。 かくゆう私も最後まで戦い抜いた一人として、ハーレのみんなと共に招待されている。 「にしても、あの戦いからもう3ヶ月経つのね なんだかんだバタバタしたけど時が経つのは早いわね~」 「そうですね。 あっというまでしたね」 「しかも、ナナリーは戦いが終わってから周囲が騒がしかったからね。 まあ、まだまだこの騒がしさは続くでしょうけど。 」 その言葉に私は思わずため息をついてしまう。 あの戦いの中で海王様の血縁者であること、氷の始祖の力がこの身に宿っていることが発覚してから私の周りは騒がしい ハーレには毎日のように老若男女問わず私を見に人が来ている状態だ。 物語の中の人魚のお姫様を見てみたいと見物に来る人もいるがそれはまだいい 先日来た子供たちは私を見て目をキラキラさせながら私に話しかけてきて、その視線にだいぶ照れたけど子供たちの純粋さはやっぱりかわいい。 まあ、それは置いといて、問題はその他の来訪者だ。 ここ最近ずっと貴族からの手紙や使者が来るし、男性から誘われるようになった。 ゾゾさん曰く、私は本気にしてなかったけど前から誘いはあったとの事、 あれは誘われていたのか・・・冗談だと思ってた・・・ まあ、そんな日々が続き仕事にも差し支えている。 この前、誘いに乗らない私に業をにやしてやってきた貴族が私を無理やり連れて行こうとしたけど、ちょうど資料を取りに来ていたロックマンが追い払ってくれた。 その際、いつもこんな目にあっているのかと詰め寄られ、ついそのまま言い合いになってしまったが、一応追い払ってくれたことは感謝している。 それから、あいつが手配したのか騎士団の人がハーレの様子を見に来てくれるため強引な輩は減ったけど、それでも人は来るので正直やってられない 「夜会でも貴族に絡まれるんでしょうか・・・」 ハーレで仕事をしている方がまだ平穏な気がする。 「まあ、元気出しなさいって!今日の夜会は庶民も参加するってことで あまり、格式ばったものにならないらしいし、美味しい食事も出るってことだから 嫌な事は忘れてパ~っとたのしみましょ!」 ゾゾさんが励ましてくれた。 やさしさが身に染みる。 ただ次の瞬間にはニヤニヤしながら 「そ・れ・に!今日はあの隊長さんがエスコートをしてくれるんでしょ!? あの隊長さんならきっとナナリーを守ってくれるって!」 そうなのだ、なぜか今日の夜会ではあのアルウェス・ロックマンにエスコートをされることになっている。 あいつはこの間ハーレにいきなり来て夜会のパートナーを申し込んでいったのだ 「あの時の隊長さんかっこよかったわよね~。 ナナリーの手の甲に口づけながら 美しき氷の魔女よ、私に夜会のエスコートをさせてもらえないだろうかって 小説の一場面を見ているようだったわ。 ナナリー愛されているわね~」 「そんなんじゃないですよ。 ただ、私も他国の王族のようなものだから、 流石にエスコートもなく参加するのは体裁が悪いそうです。 」 最初は断ろうとした私もその言葉に説き伏せられて(他にパートナーを頼める相手もいないし)やつの申し出を受けたのだ。 ゾゾさんにそのことを言うも「それだけじゃないとおもうんだけど・・・」と微妙な表情で言われた。 それ以外に意味なんてあるのだろうか・・・? 「それよりもそろそろ隊長さんが迎えに来るんじゃない?私はハーレのみんなと後から行くわね」 「私もゾゾさん達と一緒に行きたかったです・・・」 「そんなこと言わないの、あっほら隊長さんが来たみたいよ」 そう言われて空を見上げると使い魔のユーリに乗ってこちらにくるロックマンが見えた 「じゃあ、またあとで会場で会いましょうね」と、去っていくゾゾさんに手を振っているとロックマンが近寄ってきた。 「ごめん。 またせたね。 」 「別に。 今ちょうどきたところだし・・・」 「じゃあ、先にうちで夜会の為の準備をするからついてきて」 「わかった」 私は使い魔のララを呼び出し、ロックマンの後を追って空を駆け上がった。 しばらくし公爵邸に到着すると公爵様たちが出迎えてくれた。 「久しぶりだね。 お嬢さんにまた会えてうれしいよ」 「ヘルさんお久しぶりね。 また、会えてうれしいわ 今日の仕度は任せてね」 相変わらず笑顔の素敵なご夫婦だなと思いながら私も挨拶を返す。 横にいたロックマンが「では、母上ヘルを頼みます」とノルウェラ様に私を引き渡した。 私を渡されたノルウェラ様は「ええ、まかせて。 誰よりも素敵にして見せるわ」と、素敵な笑顔を浮かべいる そして私はノルウェラ様に手を引かれあれよあれよという間に連れ行かれたのだった。 ある一室に通されるとそこにはすでに以前お世話になった召使さん達が待機していてノルウェラ様は彼女達に「お願いね」と私を引き渡した。 前回と同じく服を剥かれお風呂に入れられる。 恥ずかしくてならないが逃げることも出来そうにない。 ただ時が過ぎるのを待つばかりである。 入浴後は全身のケアをされた後、ノルウェラ様が待っている部屋まで戻った。 部屋の中には最初に見たときにはなかった、色とりどりのドレスが所狭しと並べられている。 「ヘルさん、こちらにいらっしゃい」 「はい、お待たせしてすみません」 「気にしなくていいのよ。 それよりどうかしらヘルさんに似合いそうな ドレスを集めてみたのだけど、気に入ったものはあるかしら」 と、並べられているドレスを示されるが、色とりどりのドレスに目がチカチカして選べる気がしない。 困っていることに気付いたのかノルウェラ様が「じゃあ、私が選んでもいいかしら」と笑顔で提案してくれたので、 私はそのままお願いすると、ノルウェラ様は召使さん達と一緒に色とりどりのドレスを楽しそうに私に合わせてきた。 「こちらのドレスはどうかしら、髪の色にも合うと思うのだけど」 「奥様、こちらもどうでしょうか。 お嬢様のかわいらしさが引き立つと思います。 」 「そちらもいいわね。 でも、あちらのドレスも似合いそうね」 皆でキャッキャウフフとはしゃいでいる。 すっごく生き生きとしているなと 瞬きをしながら眺めていると私のその様子に気付いたノルウェラ様が苦笑された。 「ふふ、ごめんなさいねヘルさん。 驚かせたかしら?この家は息子はいるけど 娘はいないからこうゆう機会はあまりなくて・・・、ついはしゃいでしまったわ」 「いえ、お気になさらないでください。 私も夜会にあまり参加したことがなくて、 服も何を着ればいいのか自信がないのですごく助かっています」 「そういってもらえると嬉しいわ。 あっヘルさんこのドレスはどうかしら」 渡されたのは、鮮やかな青に金糸で刺しゅうを施したため息が出るほど素敵なドレスだった。 召使さん達が即座に私にドレスを合わせてくる。 私を見て召使さん達が「とてもお似合いです」と 褒めてくれるが、こんな綺麗なドレス私に似合うのだろうか、ドレスに着られている感が満載な気がする 「そうねとても似合っているわ。 このドレスに決めてもいいかしら」 「私にはもったいないほど素敵なドレスですけど、私が着ても大丈夫でしょうか・・・」 「自信を持ってヘルさんあなたはとても綺麗よ。 このドレスを着たヘルさんをアルウェスに見せるのが楽しみだわ」 私が着飾ったところであいつは特に反応しないと思うけど・・・と考えている間にも ノルウェラ様たちの会話がどんどんと進んでいく。 「アクセサリーはどうしましょう?」 「奥様、お嬢様は海の姫君ですから真珠のアクセサリーはどうでしょう?」 「いいわね、ドレスも海の青で丁度だわ!」 「では奥様、お嬢様、私たちはドレスを手直ししてまいりますので少々お待ちください」 「ええ、よろしくね」 私が会話についていけていないまま、いろんなことが決まっていった。 そして、あっという間に召使さん達は部屋を出ていき、部屋にノルウェラ様と二人だけになる。 「ヘルさん。 少しお話ししましょう。 ここに座って?」 ノルウェラ様はソファーに座って私を呼んだ。 おずおずと隣に座らせてもらう。 「ねえ、ヘルさんいきなりだけど聞いていいかしら」 「はい、何でしょうか」 「あの子の・・・アルウェスのことどう思ってる?」 「えっ・・・」 どうとはどうゆうことだろうと思わず固まってしまう。 脳内ではせわしなく思考が動いているというのに返事が返せそうにない。 「ふふっ困らせてしまったわね。 ごめんなさい。 ただあなたから見たアルウェスはどう見えるのか気になってしまって・・・ アルウェスに対する文句でもいいの。 あなたから見たアルウェスをあなた自身の言葉で 教えてほしいわ」 ノルウェラ様は穏やかに微笑んでそう言った。 私は少し考えたのち話し始めた。 「ロック・・・いえ、アルウェス様と初めて会った時じゃんけんで勝負を挑まれたんです。 その時私が負けたんですけど、勝ったあいつがニヤリと笑って悔しくて・・・ それからずっと敵対視して、今までじゃんけんや勉強、日常の中のいろんなことで 毎日のように勝負をしてきました。 魔法が使えるようになってからは魔法の勝負も・・・ 意地悪で嫌味で嫌な奴だってあいつなんかに負けてたまるもんか あいつに絶対勝ってやる、追いついてやるんだってずっと思っていました。 学校を卒業してからも何度も会う機会があって、そこから少しずつだけどあいつの優しいところや、 面倒見のいいところが見えてきて、最初の出会いがあんなんじゃなかったら友達になれたのかなって 思ったりもして・・・3ヶ月前の戦いで、私はあいつに今までずっと守られていたと知って・・・ それを知った時には正直なんで!?と思いました。 あいつから見た私はたぶん生意気でかわいくない 相手だったと思うんです。 それなのにずっと守ってくれてたなんて・・・ 私から見たあいつは意地悪で嫌味だけどそれ以上に敵対視していた私を守ってくれるほど優しくて、 それにどんな小さな約束事でも守ってくれた良い人だと思っています。 」 私はノルウェラ様に今までの思い出と自分の思いを語った。 さすがにあの戦いであいつを好きだと気付いたことは言えなかったけど・・・ ノルウェラ様は途中で声を掛けることもなく最後まで穏やかに聞いてくれた。 全部話し終えるとノルウェラ様は私に「教えてくれたありがとう」と微笑んでくれたが、。 今、話の内容を思い返すとロックマンに対する文句も山ほど言ってしまったが良かったのだろうかと思い、そのことを謝るも 「あなたから見たアルウェスが知りたかったの、だから気にしなくていいのよ。 私も知らないあの子のことが聞けて楽しかったわ」 と嬉しそうにされていた。 その後もしばらく二人で会話に花を咲かせた。 「ねえ、ヘルさん・・・貴女のことお名前で呼んでもいいかしら?私のことはノルウェラと呼んで? ねっお願い」 ノルウェラ様がじっとこちらの顔を覗き込んでくる。 さすがに公爵家の奥方の名前を気安く読んでもいいものかと 戸惑うが、「私が貴女に名前で呼ばれたいの、だから、ねっ?」とノルウェラ様はそう言ってかわいらしく微笑んでくる。 ノルウェラ様ほどの美人に微笑まれ私はついわかりましたと返事をしてしまった。 「ふふっ嬉しいわ!貴女とはこれから長い付き合いになるのだもの 仲良くしましょうねナナリーさん」 「はい!」 ノルウェラ様の笑顔に促されつい返事をしてしまったが長い付き合いとはどうゆうことだろうか・・・? そうこうしているうちに先ほど部屋を出て行った召使さん達が戻ってきた。 「奥様、お嬢様お待たせして申し訳ありません。 準備が整いましたので着付けを行わせて 頂きたいと思いますがよろしいでしょうか?」 「ええ、いいわ。 お願いね。 じゃあナナリー、アルウェスが見惚れるほどに 素敵に変身しましょうか」 ノルウェラ様がそう言ったとたん召使さん達に周りを囲まれドレスを着つけられる。 ノルウェラ様たちとても楽しそうだ・・・ 「お嬢様の髪型はどうしましょう?」 「横の髪を編み込んでハーフアップにしたらどうかしら、ドレスが海のイメージだから きっちり結うよりも一部を結ってあとは後ろに流した方が素敵だと思うの」 「素敵ですね!髪飾りはどれにしましょう?」 「この真珠で花をかたどった物が良いんじゃないかしら。 空色の髪に白い花が映えて綺麗だわ」 「では、お化粧をしていきますね。 お嬢様は元が美しい顔立ちですから薄くするだけでも 見違えそうです」 そうしてしばらく経った・・・ どうやらようやく支度が終わったようだ夜会にはまだ行っていないのに内心だいぶぐったりしてきた。 召使さん達は最後に全身のチェックをした後私を見て「とてもお綺麗です」「きっと今日の夜会ではお嬢様が一番お美しいです」と褒めてくれた。 自分たちの仕事の出来に満足しているのか笑顔がとても輝いている。 召使さん達に促され鏡を見ると良家のお嬢様みたいと言っても過言でないほどの自分の姿が映っている。 自分じゃないみたいで、プロってすごいと感嘆したが、さすがに一番美しいは言い過ぎではないかと思う。 「ナナリーさんとても綺麗ね、アルウェスが見惚れる様が目に見えるようだわ」 「公子様の反応が楽しみですね」 「ええ、そうね。 ねえ、アルウェスを呼んできてくれる? 綺麗なナナリーさんの姿を見せたいわ」 はい、わかりました。 呼んで参りますので少々お待ちくださいと召使さんの一人がロックマンを呼びに行った。 ノルウェラ様と他の召使さん達はあいつがどんな反応をすると思うか楽しげに予想しながら話している。 しばらくしてノック音が部屋に響くと、ノルウェラ様たちはいたずらを思いついたように笑い私を召使さん達の後ろに隠す。 ノルウェラ様が入室の許可を出すと召使さんに先導されたロックマンが部屋に入ってきた。 「母上、お呼びと聞きましたが」 「ええ、ナナリーさんの支度が終わったから、貴女に先に見せてあげようと思って」 その言葉と共に召使さん達が横にさっとどく、私と目が合うとロックマンは目を丸くして固まった。 固まってしまうほど似合ってないのだろうか・・・ ノルウェラ様があいつに「見惚れてしまうぐらいにとても美しくなったでしょう」と楽しげに言っていたが、 あいつに限って見惚れるとかはちょっとないと思う。 あいつの周りには私以上に綺麗な人が大勢いる。 その人達と比べると、今にか私は馬子にも衣裳とでも言われるのではないのだろうか? 固まっているロックマンにいい加減しびれを切らしたのだろうか、ノルウェラ様が少し大きめの声であいつを呼んだ その声にロックマンはハッとした顔をしノルウェラ様に視線を合わせる。 「アルウェス見惚れるのはいいけど、固まったまま何も言われないと女性は不安になってしまうわよ? あと、あの話に関しては私も賛成するわ。 だって、彼女とてもかわいらしいもの。 私ミハエルの所に戻るわね。 まだ夜会までには時間があるのだから二人で話し合いなさい。 良い報告を期待しているわ、頑張りなさいね。 ナナリーさんもまたあとで会いましょう」 そう言ってノルウェラ様達は部屋から出て行った。 部屋には私とロックマンの二人っきりになる ところであの話って何なのだろうか先の言葉の内容から言って私に関係があるようだけど・・・ そう考えているうちにロックマンがこっちを向いて声を掛けてきた。 「ねえ」 「なによ」 「まず、さっきはごめん。 」 「固まるほど似合ってなかったわけ?それとも馬子にも衣裳とでもいうつもり?」 「違うよ」 「じゃあ、なんだってゆうのよ」 「君が・・・君が想像以上に綺麗で見惚れてたんだ」 「へぇっ!?」 その言葉に顔が熱くなった。 今鏡を見れば頬が赤くなっている気がする いきなりこいつは何を言っているのだろう。 変な物食べて頭がおかしくなったか!?それとも変身魔法で誰かが化けているのか!?と混乱していると 「本当に綺麗だよ」とさらに言葉を続けてくる。 ロックマンの顔を見るとあいつの頬も少し赤くなっている。 それを見て私の頬はさらに真っ赤に染まった。 ロックマンはそんな私の紅く染まった頬を見て小さく笑っている。 なんだ、やるのか?と怒りと羞恥にふるえながら、臨戦態勢をとっていく私に ロックマンは苦笑しながら「ごめん」と謝ってきた。 その態度に、今日はやけに素直だと驚いた私はついやつをまじまじと見つめてしまう。 そんな私をあいつもまっすぐ見つめ返してきた。 そこからしばらく二人の間に沈黙が流れる。 そしてその空気に私が耐えられなくなったころロックマンがやっと口を開いた。 「ねえ、君に伝えたいことがあるんだ・・・聞いてくれる?」 「なっなによ!」 「君には回りくどく言っても伝わらない気がするから直球で言わせてもらうけど、 ・・・僕は君が好きだよ。 ・・・君は僕のことをどう思ってる?」 「へぇっ!!なっ・・・なっなにからかて・・・」 「からかってない。 僕は本気だよ」 「えっ・・・」 「最初は君が、僕の幼い頃にあった迷子係の・・・初恋だったお姉さんに似ていたから気になっただけだった。 でも、君と勝負して過ごしていくのが楽しくて、時折見せる君の笑顔がまぶしくて、 君のことを好きになって、君とずっと一緒にいられたらって思ってた。 ただ、僕は公爵家の人間で結婚も家にかかわる・・・君に好きだと伝えることも出来なくて・・・ 君に好きになってもらえないなら違う感情でもいいから僕に向けて欲しかった・・・ そのもらえた感情だけで満足しようと思ってた・・・ でも、あの戦いで・・・凍っていく僕を見て泣いている君を見て、君に何も伝えられないまま終わってしまうのかと 後悔した・・・だから、もしまた君に会えたなら僕の気持ちを伝えようと決めていたんだ・・・」 ロックマンは私の目を真直ぐ見て語った。 私も強い眼差しで見つめてくるロックマンから目がそらせない。 こんなに思ってもらえていて嬉しいと感じる自分がいる。 でも身分の差は変わらずある。 例え私が海王様の 孫娘と言っても海を出た母の子だ、海王様とはあの海での一件以来あっていないし、私に政治的利用価値が あるとは思えない。 それに・・・マリスのことがある。 マリスはこいつを幼い頃からずっと思っているのだ。 それなのに、そのことを無視してこいつの気持ちに答えるなど・・・私には出来そうにない。 「・・・ごめん。 あんたの気持ちには答えらんない」 「・・・理由を教えてもらえるかな」 「まず、私にはあんたの周りが納得するような利用価値はない。 海王様の孫娘だけどお母さんは家出同然に海を出てる。 それに・・・学生時代からあんたのことをすごい想ってくれている子達がたくさんいたじゃない・・・ その子達の気持ちはどうなるのよ・・・」 私は淡々と理由を述べていく、ロックマンも静かに耳を傾けてくれた。 理由を語り終わると「僕が嫌いだからって理由じゃないんだね」とロックマンは私に聞いてきたが 私は沈黙しか返せなかった。 「・・・」 「まず初めに身分の事に関しては、もう周囲の同意は得てる」 「えっ・・・」 「そして、もう片方は・・・僕がどうしてあの戦いから3ヶ月経った今、君に告白してるんだと思う?」 「それは・・・戦いの後で処理が忙しかったからじゃないの?」 「確かに忙しかったよ。 でも、この3ヶ月の間君に何度か会ってるよね?その時に伝えても良かったはずだ」 「じゃっじゃあどうして・・・?」 驚いて訳を尋ねる私に、ロックマンはこの3ヶ月の間、好意を寄せてくれていた子に今の自分の気持ちを伝えて 思ってくれていた事に対して感謝と、思いを返せない事の謝罪をしに行っていたと教えてくれた。 「・・・マリスにも?」 「ああ、マリスはわかりました。 幸せになってくださいって言ってくれたよ。 それに、僕の気持ちがマリスには バレてたみたいだ。 ナナリーを絶対に幸せにしてあげてくださいねって、・・・君宛てに手紙も預かってる」 ロックマンはそう言ってマリスからの手紙を渡してきた。 マリスから手紙を渡したらその場で読ませるようにと言われたそうだ。 そっと封を開けて手紙を読む。 「親愛なるナナリー あなたがこの手紙を読んでいるということはアルウェス様があなたに告白をされたことだと思います。 あなたがもし私のことを思ってアルウェス様の告白を断るなら、それはアルウェス様に対しても私に対しても失礼だわ。 私は親友の不幸を願うほど人として堕ちていなくってよ。 ねえ、ナナリーあなたアルウェス様のことが好きでしょう? あなたは上手に隠してたつもりでしょうけど、はたから見ててあなたの態度はすごくわかりやすかったわ。 だってあなた、あの戦いの後からアルウェス様を見る目がとてもやさしい目をしていたわ、たまに顔を赤くしていたしね。 それに、とても綺麗になったわ・・・妬けちゃうほどにね ねえ、ナナリーあなたはあなたの気持ちに正直になっていいの 私は、あなたの気持ちを大切にしてほしいわ 私に変に遠慮なんてしないで、あなたの気持ちをアルウェス様に伝えなさいな アルウェス様を悲しませたら許さなくってよ。 あなたも幸せにおなりなさい応援しているわ あなたの親友 マリス」 マリスは・・・私の気持ちに気付いていたんだ・・・ 今まで、マリスを応援してきたのに、こんな・・・今更ロックマンを好きになったなんてどうしても言えなくて 気の迷いだと自分の気持ちからも目をそらして、普段通りに過ごしてたつもりだったのに マリスは私の気持ちに気付いて、自分だってロックマンが好きなのに私の背を押してくれてる・・・ 私はマリス手紙を読んで涙が止まらなかった。 そんな私の背中をあいつは何も言わずに撫でて慰めてくれている。 しばらくして、ようやく涙が落ち着いてきた。 「ヘル。 落ち着いた?」 「うん・・・ごめん。 」 「聞いてもいいかな?・・・マリスは、なんて?」 「・・・自分の気持ちに正直になってって、自分の気持ちを大切にしてほしいって」 「・・・僕たちはいい友人を持ったね」 「・・・うん」 「ねえ、ヘル」 「・・・なに」 「もう一度だけ聞かせて」 「・・・うん」 「僕は君が好きだ。 君は僕のことをどう思ってる?」 「・・・私は、はじめはあんたのこと嫌いだった。 突っかかってくるし、意地悪だし、 でも・・・でも、あんたの背中を追いかけていく中であんたの優しいところや 面倒見のいいところを知って、たまに動悸がしたけど、私には意味が分からなくて・・・ でも、あの戦いであんたに助けられて・・・しかも、ずっと守られていたって知って 何も知らなかった自分が悔しかった。 でも・・・それ以上に私を守ったせいであんたを失ってしまったんだと、 もうそばにいないんだと思って、悲しくてしょうがなかった。 私は・・・あんたが好き。 あんたの・・・ロックマンのそばにいたい。 」 そう言ったとたん私はロックマンに抱きしめられた。 香水じゃない温かな香りに心が落ち着く。 やっぱり、私はこいつのことが好きなんだと、心が温かくなり少し笑ってしまう。 そんなクスクス笑っている私を見た彼は、優しい眼差しで私を見ながら顔を鼻先によせてくる。 顔に影が掛かり私が上を向くと唇に温かな感触が降ってきた。 「っ・・・」 「すきだよ。 ナナリー」 ロックマンはいつか見たふにゃけた幸せそうな笑顔で私を見ている。 私は初めてのキスと名前呼びに動揺して、顔が真っ赤になる、足から力が抜けてしまった。 彼は倒れかけた私を抱きとめ、そのまま落ち着くまで抱きしめていてくれた。 しばらくすると、体の調子が戻ってきた、恥ずかしかったのでロックマンから体を離すと、 ロックマンが私の前に膝をつき私を見つめてきた。 「ナナリー」 「なっなに、いきなりどうしたのよ」 「ナナリー、僕と婚約してほしい」 その言葉に驚いて声の出ない私の左手を取り彼は薬指に口づけを落とした。 「なっなっなっなん・・・で・・・」 ロックマンはいきなりのことに驚いて混乱している私を見て苦笑した。 しかし、次の瞬間には真剣な顔をしてこちらを見つめてきた。 「驚かせてごめんね。 君はなんでいきなりとでも思ってるだろうけど・・・ 僕にとってはいきなりじゃないんだ あの戦いの後から君の周りには君を求める人間が集うようになった。 だけど流石に僕の周囲の問題を片づけないまま君に思いを告げることは出来なかった。 気が気じゃなかったよ。 今にか君が誰かを選んでしまうんじゃないかって・・・ 僕が君に想いを告げられて君も想いを返してくれた今だからこそ言えるけど 僕は、君を他の男に渡したくない。 君の傍で共にあるのは僕でありたい 君を守れる立場に立ちたいんだ。 」 ロックマンはそう言って今度は掌の上にキスを落としてきた。 彼にこんなに愛され望まれている。 その事実に信じられないと驚く気持ちもまだあるがそれ以上に嬉しくてたまらない でも、想いを伝えあってすぐに婚約というのはいくら何でも早くないだろうか? しばらくは恋人として過ごしては駄目なのかと疑問に思いロックマンに問うと少し悩んでいるようだが、 しばらくして何かを決意したかのような顔をして私を見た 「本当はあまり君には伝えたくなかったんだけど・・・ 今から言うことは君にとってはつらいことになるかもしれない、けれど聞いてくれる?」 「うん・・・」 「ナナリー、今、君の立場はとても危ういものとなっている。 君は海王様の孫娘ってことに価値を見出してはいなかったけど、 周りからしてみればそうではないんだよ・・・ 周りからしてみれば君は、世にも珍しい人と人魚の混血で しかも、伝説だと思われていた海王様の血縁者・・・海の姫君だ。 そこに氷の始祖の力も宿っているとなれば・・・どうなるかわかるね?」 「周りは・・私をほっとかない・・・?」 「うん、そうだよ。 現に今も君を手に入れようとこの国の貴族だけでなく、他国まで動いている。 しかも今日の夜会では君に接触しようとする者がたくさんいるだろう。 中には強引な手段に出てくる者もいるかもしれない」 「だから、婚約して手を出しにくいようにするの?」 私はロックマンの話を聞きながら呆然とした。 なぜ、こんなことになっているのだろう。 私自身は変わっていないのに、私の周囲や立場は急速に変化していく。 私の望みはただ夢だったハーレーの受付のお姉さんとして働いて、 そしてロックマンのそばで穏やかに過ごしたいだけなのに。 変化してしまった事柄の多さ、立場の重さに思考がついていかない。 あまりの事実にいっそ大声で泣いてしまいたいぐらいだ ロックマンは泣きそうな顔をした私を優しく抱きしめてくれた。 「聞いて、ナナリー確かに大勢の人間が君を手に入れるために動いている。 でも、僕は君が不幸になることだけは絶対に認めない。 僕は君を不幸にするために今まで守ってきたんじゃない 君に健やかに、自由に過ごしてほしくて守ってきたんだ。 それに、僕が婚約を申し込んだのは君を手に入れようとする者たちを牽制することも目的だけど それ以上に僕は愛する君を他の男に渡したくない。 君とこれからの人生を一生、一緒に歩んでいきたいから婚約を申し込んだんだ だからナナリー・・・これからも君の一番近くで君を守らせてほしい。 」 「で、でも、私、あんたに守られてばかりで・・・何も返せてない。 あんたに守られるだけなんていやよ・・・」 ロックマンはそう言って泣き始めてしまった私に優しく微笑んだ 「君が何も返せていないだなんてそんなことはないよ。 君が・・・迷子係のお姉さんが最初に優しい約束を僕にくれたんだよ。 ずっと僕と繋がり続けてくれるって、その約束が今まで僕の心を守ってくれた。 君が僕が将来すごい魔法使いになるよって励ましてくれたから魔法の制御も頑張れた。 それに、確かに君の魔力を暴走させないために勝負をしかけていたけど、 それだけじゃないんだ。 僕は君と競い合うのがとても楽しかった。 僕が君を守ってきた事以上に君は多くの物を僕にくれているよ だから、泣かないで」 「うん・・・うんっ!わ、私もあんたのこと絶対に守るから! これからもあんたのそばにいさせて!」 泣きながら言う私にロックマンは「君のことを絶対に守りとおすよ」と誓ってくれた。 そして、優しい手つきで涙を拭ってくれる。 「ナナリー、君のことを愛してる。 僕と結婚してほしい」 「はい」 その時私は花がほころぶような美しい笑顔を浮かべていたと後に彼は語っていた。

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今日も忙しくも変わりないハーレでの仕事ももうすぐ終わりの時間だ。 明日は休みだし、夕飯はじっくりタレを漬け込んで鶏肉の照り焼きをにしよう、とナナリーは小腹が空いていることを自覚した。 受付の上を片付け始めていると、手元に影が出来て誰かが自分を覗き込んでいることに気づいた。 「ご依頼ですか?次の担当の者がもう間もなく来ますので少々お待ちいただけますか?」 「ナナリー・ヘル様。 貴方様にお願いがあり参りました」 夜勤の人に任せようと思ったが名乗ってもいないのに自分を指名されて驚いた。 しかし知らない、しかも身なりがきちんとしている事から貴族とも思える男性に様付けで呼ばれどこか落ち着かない。 「申し遅れました。 私はロックマン公爵家に仕えている者です」 「ロックマンの?」 思い浮かべたのは因縁の相手アルウェス・ロックマン、そしてその父である公爵の顔だ。 なぜ父親の方までよぎったかというと、ロックマンだったら使いの者を出すくらいなら自分で魔法で連絡か自らこちらまで出向いてくるだろう。 過去に公爵からロックマンの内偵のために舞踏会に参加させられた蓋をしておきたかった思い出に想起させられたのだ。 「実はアルウェス様が風邪を引かれまして」 「あいつが風邪?」 ありえないはずだ、とあまりにも怪訝な表情をしていたのか使者の方にぎょっとした顔をされた。 だって治癒術を心得自らにも応用出来るロックマンであれば、身体自体に防御魔法を施している。 今まで一度も風邪を引いたところを見たことなかったし聞いたこともなかった。 「騎士団の仕事が重なりまして、ついに身体のコントロールが不安定になったようです」 「へぇ…あいつが過労ね」 完璧すぎて忘れていたが、魔術師長に就任し、またシュテーダルの騒動の後から魔物が活性化して出動要請が頻発していると、これはニケが愚痴を零していたのだが、人の何倍も仕事をこなしているのだ。 並の人間だったらとうに音を上げているのだろうが、ロックマンは大変さを顔に出すような人間ではない。 だから周りもきっと大丈夫だろうと、当たり前のように仕事を振っていたのかもしれない。 「つきましてはヘル様」 「はい?」 「ぜひお見舞いに来ていただきたいのですが」 「はい??」 業務時間が終わりハーレを出ると使いの人が待っており、あれよあれよという間に馬車に乗せられてしまった。 何気にこの人も押しが強い、とロックマン公爵家は雇ってる人まで強引な人達なのかと顔が引き攣ってしまうのは許してほしい。 別にララに乗って行ってもよかったのだが、今回は隠す必要もないし、招待するのですからとまるで貴族のような待遇となっている。 「あっ、そういえぱお見舞いといえば何か手土産用意した方がよかったのかな」 「とんでもございません。 こちらがお呼びしたのですから、ヘル様ご自身に来ていただけるだけで十分でございます。 きっとアルウェス様もお喜びになりますよ」 「人に弱った姿あんまり見られたくない性格なんじゃないかと思うけどな……」 やけににこにこしている目の前の使者に、あまり期待されては困るなと小さなため息をついた。 ロックマンは普段は騎士団の宿舎で寝泊まりしているが、本格的に体調を崩しいい機会だからと休みを取って自宅で静養しているとのことだった。 「アルウェス様、お見舞いにいらした方をお連れしました」 お願いされてここまで来たのだが、まるで自発的に来たみたいに言われ訂正しようとする言葉を何とか飲み込んだ。 貴族の家であまり行儀の悪いことはしない方がいいだろう。 「誰……?」 「お邪魔するわよ」 「ヘル?」 ロックマンはダブルベッドよりも大きい寝台に、肩までしっかり掛け布団を掛けていた。 ロックマンはナナリーを見るとわずかに目を見開いた。 それでは私はこれで失礼します、と屋敷に入ってから案内してくれた執事は部屋を退出し扉を閉めてしまった。 実家よりも何倍も広い部屋に通され、ロックマンはずっとこちらから目を離さないしとりあえずベッドの傍にある一人がけのソファに腰掛けることにした。 「なんで君がいるの」 「ハーレに使用人が来て、あんたが風邪を引いたから見舞いに来てほしいって言われたの」 「余計な事を」 それがわざわざここまで来た相手に言うセリフかと、ついいつもの癖で言い返そうとしたが、いけない相手はロックマンとはいえ病人だと自分に言い聞かせた。 やはりロックマンが自分を呼んだわけではなかった。 想像していたとおり弱っているところは見られたくないらしく、憮然とした表情をしていてなんと可愛げがないのだろう。 しかし、声は若干掠れており、いつもの饒舌さはない。 頬は赤みを帯びていて汗もかいている。 憮然としているのは、相当に具合が悪いからというのもあったようだ。 額に乗せていたタオルで汗をぬぐおうかと手で触れると、普通の熱とは思えない熱さを感じた。 「ちょっとこれ本当に大丈夫なの!?」 「大丈夫。 少し制御がきいてないだけだから」 今度はタオルを外して額に直に触れると、微力だが魔力が漏れていることが分かった。 つまり、疲労が溜まりちょっとした魔力の暴走状態となっているところで体調を崩してしまったということだろう。 「まったく、無茶するんじゃないわよ」 今度は姿勢を正しくし、前髪を掬い上げ額を手で覆った。 息を吸い上げ呪文を唱えると、接触部分が熱と中和され生温い感触となった。 「魔力吸収の魔法か」 「さすがに知ってるのね」 静かに施しているがこの魔法、実は難しい。 学生時代に習得出来なかった魔法の一つだ。 魔力を吸収し、その魔力を自分の魔力へ変換する。 この変換の工程が難しく特に違う魔法型の相手となると格段に難易度が上がる。 なおかつ術者の魔力の容量が大きくないと今度は自分がペストクライブのような症状を起こしてしまう。 見た目に反しとても繊細なのだ。 「あぁ、やってもらうのは初めてだけどね」 最初は頼まれたから来てやった、というところだったが実際来て正解だったようだ。 魔力暴走は安静にしていれば徐々に解消されていくが、その間は目眩状態が続く。 それは結構辛いものなので、魔力吸収の魔法を使うことでその症状は収まるはずだ。 きっと明日にはすっきりとしているだろう。 「ヘルの、……ナナリーの手のひら冷たくて気持ちいいな」 急に名前で呼ばれナナリーはドキッとした。 名字でなく名前呼びになるのは、周りに人がいない時だけだ。 「まっまあね!魔力吸収は魔法型に由来するから!」 動揺により声が上擦ってしまった。 ロックマンは額に添えている手をさらに押し付けるように自らの手を被せてきた。 自分より大きなそれはやはり熱く、少しだけ魔法を強める。 楽になったのかロックマンの表情は先程より柔らかなものとなっている。 決してこの距離感のせいではないと言いたい。 「まさか君が来てくれるとは思わなかった」 「私もあんたのお見舞いに行く日が来るなんて思わなかった」 「ふふっ……そうだね。 そうだったね」 ロックマンは人を惑わせる綺麗な顔で無邪気に笑った。 そんなに嬉しそうにされたら、釣られて笑ってしまうではないか。 「これで貸しひとつね」 「いいよ。 ナナリーからのお願いなら、真っ先に駆け付けるよ」 「ばっ……何言ってるのよ!いいから早く寝なさいってばこの病人!」 今は絶対顔を赤くしてるのを笑われてる!ロックマンから顔を背けてむくれてみせる。 今度は自分が熱を出してしまいそうだ。 「ねぇナナリー、僕病人だから甘えてもいい?」 「何よもう……」 このまま顔を向けなかったら負ける気がして、仕掛け人形のようなぎこちない動きで首をロックマンの方へ向けた。 「名前呼んでくれない?」 それは簡単である意味魔力吸収魔法より難しいものだ。 しかし、今は公に付き合ってると認識されている仲なわけで。 いい加減慣れないと。 「おやすみ、アルウェス」 「うん、おやすみ。 ナナリー」 額に乗せていた手をぎゅっとアルウェスは握ると、そのまま静かに目を瞑った。 [newpage] 懐かしい夢を見た。 あれは、迷子係のお姉さんと一緒に眠った時のことだ。 いきなり見知らぬところに放り出され心細かった僕を助けてくれた、焦げ茶色の髪をした笑顔が眩しい人。 ずっと一緒にいてくれるという約束はさせてもらえなかったけど、彼女からもらった小箱を大事に抱え、横になる僕の目の前には優しく微笑んでくれるお姉さんがいて、とても安心したのを覚えている。 こんな時間がずっと続けばいいのになと、目を閉じたのだった。 瞼の裏がうっすら明るく、目を開けるとカーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。 胸元に心地よい重みを感じ身体を僅かに起こすと、そこには掛け布団に顔を埋め寝息を立てているナナリーがいた。 夢の続きか、と思考を放棄しようとしたところで、昨晩彼女が僕の部屋に来てくれた事を思い出した。 最初はついに幻想でも見えたのかと自嘲していたが、少し気難しいような顔をしている彼女を見てこれは現実だと確信したのだ。 夢に見るナナリーは、いつも僕に屈託のない笑みを向けてくれる。 なんと自分の都合のいいようにすり替えているのだろうか。 現状のような仲になったのは主に自分のせいだというのに。 だが今僕の左手がナナリーの右手を握ったままだというのも現実だ。 滑らかな彼女の手の甲から温かみを感じる。 その感触を楽しむように手の平で包むように撫でた。 まるでお姉さんの右手と自分の左手が離れなくなってしまった時のようだ。 ナナリーが魔力吸収をしてくれたおかげで身体はすっかり楽になった。 魔力暴走が落ち着くのを待つしかないと諦めていたところだったので、予想以上も早い回復を彼女に感謝しなければならない。 揶揄するように氷の魔女、なんて呼ぶ事もあるけれど実際彼女は優秀な魔法使いだ。 今まであまり素直に褒めたことはないけれど、彼女の実力を誰よりも認めているつもりだ。 魔法型が違う、しかも真反対の性質の魔力を吸収出来る人間など知る限りいない。 きっと自分もやろうと思えば出来るかもしれないけれど、氷を受け入れるとなると一つ間違えれば自身を凍らせる事に繋がりかねない。 かといって相殺してしまっては意味がない。 命懸けの魔法となるだろう。 それを彼女は躊躇いもなく、いとも簡単にやってのけた。 これは間違いなく君の勝ちだ。 なんて言ってしまったら、君は満足して僕から離れてしまうかもしれないから、バレていないうちは秘密にしておこうか。 上体を起こし彼女の頭にそっと触れた。 流れる水色の髪を耳に掛けてやると、長い睫毛が少し顔を出す。 すると瞼に力が入り静かに目を開いた。 「ん、あれっここは」 「おはよう、ナナリー」 「お、おはよう……」 最後もごもごと何か言っていたように見えたが、元々消え入りそうな声だったので聞き取れずじまいだった。 上半身だけ突っ伏す形となっていた彼女は、身体を捻りながら起こし痛いと漏らす。 恐らく手を握ったまま寝てしまった僕を起こさないように、ずっと傍にいてくれたのだろう。 ベッドのすぐ横にカートが置かれ、その上に彼女が軽食を取ったと思われる食器とグラスが残されていた。 一晩中こんな近くにいてくれていたというのにずっと寝てしまっていてとても勿体ない気持ちだ。 体調を崩した僕を見舞いに来てくれたのだから寝ていなければならなかった事には変わりないのだが、実に惜しいことをした。 「もう体調は大丈夫なの?」 お陰様で、と返そうとした言葉を飲み込んだ。 「うーん、もう少しだけ休もうかな」 「あっそ。 じゃあ私は」 手を当てて大きく欠伸する彼女の腕を引き込むと、彼女の身体は大きく傾き頭がごつんと僕の胸元でぶつかった。 あいたっと声を上げる彼女の耳元で僕は囁いた。 「まだ眠いようなら、一緒に寝よう?」 ずっと握りっぱなしだった方の手で彼女の指を絡める。 最初は手が開いたまま動かなかったが、徐々に指に力を込め握り返してくれた。 俯いたまま決して頭を上げようとしないナナリーの耳は赤く染っている。 今顔がどうなっているのか想像に容易い。 今日仕事は?と聞いたら休み、と一言だけ。 なら大丈夫だねと呟くと何が!とようやく顔を上げてくれたので、唇をよせ抗議する口を塞いだ。 まだ熱は収まりそうになさそうだ。

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