吉田晴乃。 経団連初の女性役員 ド派手メイク美魔女社長の破天荒な経歴

吉田 晴乃|オープニングスピーチ|The Art of Connecting BT in Japan 30周年

吉田晴乃

吉田氏はある国際会議に参加した男性閣僚のエピソードを披露した。 「その閣僚が参加した国際会議では、ランチ後に会議メンバーがなかなか会議室に戻らないことが頻発したそうです。 そして会議が始まると、多数のメンバーの間ですでに合意形成ができている。 だから、その閣僚は『女性活躍推進は不可欠です』と言うのです(笑)」 2012年に世界銀行が公開した「世界における女性閣僚の割合」を見ると、日本の女性閣僚の割合は11. 8%で、世界186カ国中112位と低い。 ちなみに1位はノルウェー(52. 6%)で、以下、2位スウェーデン(52. 2%)3位アイスランド(50. 0%)と、北欧諸国が上位を占める。 さらに日本は男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数(2017年版)」でも、世界144カ国中114位と低い。 安倍内閣は「すべての女性が輝く社会づくりを推進しています」とアピールしているが、この順位は過去最低だった前年の111位からさらに後退している。 こうした現状について吉田氏は、「ジェンダーギャップ指数の後退は恥ずべきこと。 女性活躍推進は政府や経済界が一丸となって取り組む必要があります」と指摘する。 BTジャパン社長の「4足のわらじ」 今回、吉田氏は「The Digital Possible(デジタルがもたらす可能性)」をテーマに話を進めた。 これは、BTがグローバルで打ち出しているスローガンでもある。 吉田氏は「私が現在のキャリアパスを構築できたのは、デジタル化による労働環境の変革があったからです」と語る。 「私は現在、『BTジャパンの社長』『経団連役員』『規制改革推進会議委員』『一人娘の母親』と、異なる4足のわらじを履いている状態です。 これらすべての役割で100%の力を発揮し、利益と成果を出せているのは、どこからでも情報やリソースにアクセスできるモバイル環境があるから。 こうしたデジタル革新は、女性活躍を強力に後押しします」(吉田氏) 「次の世代には『育児を犠牲にして仕事をするようなバカなことはさせたくない」と力説する吉田氏 だが、技術革新によって最新技術が利用できる環境があるにもかかわらず、日本企業の生産性は低い。 グローバルではリモートワークや遠隔地からのビデオ会議、クラウド環境を利用したコラボレーションソリューションを活用する機運が高まっている。 効率的に働いて生産性向上を実現しているグローバル企業がある一方、日本ではこうした新技術を積極的に導入する企業は限定的だ。 吉田氏は「日本では『電子メール』ではなく『伝書鳩』を使っているような労働環境の企業もあります。 しかし、考え方によっては、改善の余地があるということです。 洗濯機や掃除機、電子調理器具などが女性を家事から解放したように、デジタル化を推進し、業務の効率化を図らなければ企業の成長はありません。 今後はあらゆる労働者に、多様な働き方を提供できる環境が求められます。 ビジネスの観点から見ても、デジタル化による革新は必須なのです」と強調した。

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経団連初の女性役員 ド派手メイク美魔女社長の破天荒な経歴

吉田晴乃

(左)BTジャパン 代表取締役社長 吉田晴乃さん(右)お母様との思い出の一枚。 16歳のとき、友人の紹介でお父様と出会い、一途な思いを貫いた。 「父に『あなたを必ず看取るからね』と言ったのが彼女がついた唯一の嘘。 母はとてもおしゃれで、このゴールドのアクセサリーも彫金の特注品なんです。 服のサイズも趣味もピッタリ合うので、「親子って不思議だな」と思います。 母は1937年(昭和12年)12月23日生まれ。 父とは16歳で知り合い、23歳で結婚しました。 一人の男性に忠誠を誓い、専業主婦として生きた、あの時代の女性の鑑(かがみ)のような人。 学校が終わって帰ると、手づくりのおやつが用意されていて、紅茶を入れて待っていてくれる。 毎日「今日は何があったの?」と娘たちを迎える温かい母親でした。 母の時代の専業主婦たちは、今の働く母親とはまた違った意味で、本当に偉かったと思います。 幼少期を旧満州で過ごした母は幼い頃の戦争体験から、平凡でもいいから皆がいつも一緒にいられる幸せな家庭をつくりたいと心の底から願い、それをちゃんと実現したわけですから。 でも、そんな母を見て育った私は、反面教師でこうなっちゃいましたが(笑)。 キリスト教の伝統ある女子校に通っていましたが、反抗期もひどく、プラカードを持って職員室に立てこもったことも……。 母は何とか私を型にはめようとしましたが、当時の私はどうしてもそこからはみ出ようとする。 でも母の中には矛盾もあって、私を型にはめようとする一方で、幼い頃から「これからの女性は社会に出て仕事をしていくべきなの」「自分でお金を稼がないと発言権もなくなるし、悲しい思いをするのよ」と、ため息交じりに私につぶやく母もいました。 次第に、母の中でくすぶる矛盾がいったい何なのかと、疑問を抱くようになります。 「なぜそんな惨めな思いをしなきゃいけないの? それでいいわけないじゃない」と。 だから今の私があるのは必然であり、何よりも私の中に母の血が流れていることの証しなのかなと思います。

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技術革新と女性の新しい生き方—吉田晴乃BTジャパン社長

吉田晴乃

2017年2月経団連の女性訪米グループ代表を務めた吉田晴乃BTジャパン社長(17年2月27日、ワシントン/時事) 英国最大手通信会社BT(ブリティッシュテレコム)日本法人社長の吉田晴乃さんは、2015年9月、日本経済団体連合会(経団連)で初の女性役員に就任、女性活躍推進委員会委員長を務めている。 17年2月末には企業の女性幹部から成る初の使節団を率いて訪米。 「最近取材やセミナーでは『4つのわらじを履いている』と自己紹介しています。 BTジャパンの社長業、経団連役員、昨年9月に内閣府から任命された『規制改革推進会議』の委員、そして一人娘の母としての役割です。 こちらの会議、あちらの会議と飛び回る毎日で、海外ミッションもあります。 いつも夜は11時ごろ就寝、朝の4時にはテレビをつけてCNNを見ます。 トランプ大統領に関するニュースが次々に飛び込んでくるので、面白くて仕方がない。 寝てなんていられません」 就職、結婚、専業主婦のルートから外れて 「今、日本社会は大転換期にあります」と吉田さんは言う。 政府はデジタル化の技術革新による生産性向上と人中心の社会の両立を目指す『Society 5. 0』(本文末参照)の構築を推進することを閣議決定、経団連に代表される財界もそのための取り組みに前向きだ。 技術革新(イノベーション)がもたらす新たな時代の女性の活躍、働き方改革とはいかなるものか。 「私が大学を卒業した80年代後半はいわゆるバブル時代。 男女雇用機会均等法が制定された85年は大学生でした。 私自身は就職してしばらく働いたら、結婚して専業主婦になると思っていた。 ところが、卒業と同時に、突然原因不明の難病に襲われました。 毎日高熱にうなされ、目もほとんど見えなくなった。 生死をさまよう日々からなんとか回復しましたが、新卒で日本企業に就職する機は失った。 就職したのはモトローラの日本法人。 好きな洋画で培った英語力が面接で役に立ちました。 モトローラ入社がグローバルICT(情報通信技術)との出会いでした」 「もっとも、20代後半でカナダ人と結婚してカナダに移住した際も、単純に幸せなCanadian motherになって、子どもをたくさんつくりたい、と夢見ていました。 ところが人生そう甘くはない」と吉田さんは豪快に笑う。 「離婚してシングルマザーとして渡米、子育てしながら海外の通信会社を渡り歩き、必死で生きてきました。 幸いだったのは営業の仕事が面白かったこと。 デジタル産業に救われたと言えます。 横並びの日本の会社にいたことはないし、入社式の経験も、送別会をしてもらったこともない。 キャリアパスに関するコーチングを受けたこともありません。 とにかく働いて娘を育て、生き抜かなければという強い欲求に突き動かされて、結果的にグローバルに仕事をしてきました。 特別に優秀だったわけでもなく、ガラスの天井なんて悠長なことも言っていられなかった。 悔いがあるとすれば、娘との時間を優先できなかったことですね。 その葛藤はありました」 幸せな専業主婦を夢見ていたが、挫折を味わい、シングルマザーとして生き抜くために必死で生きてきた 技術革新が可能にするワークライフバランス 吉田さんは、今、日本が目指す働き方改革は、自分の子育て時代、「2、30年前には実現できなかった」ことだと言う。 「技術革新によって、生産性を下げずに家庭と仕事を両立させる。 長時間労働は現実的ではありません。 ワークライフバランスに苦しんでいるのは、洋の東西、男性女性を問わないはず。 デジタル化を通じて、24時間という定数は変えられなくても、変数の部分、つまり1日でできる活動を大幅に広げられる時代が到来しています」 「戦後の家庭内の技術革新によって、家事から解放された女性たちの社会進出が可能になりました。 今度はオフィスの技術革新を進めなければ。 いつでもどこでも、自分がパソコンをスイッチオンしたところが仕事場になる。 どこにいても会議に参加できるシステムの導入が理想的です。 BTは米国の音響会社ドルビー社と、高品質の音声会議サービスを共同開発しました。 在宅時はもちろん、スマホのアプリをクリックすれば、移動中でも会議に参加できる。 ワークライフバランスの実現、女性の活用にはこうした『テレワーキング』の導入が必須です」 女性活用の遅れは経済の伸びしろ 欧米先進諸国と比較すると、日本は職場での技術革新で大きな遅れを取っている。 「当然、女性の活躍推進でも欧米先進国から数十年遅れています。 私はBTジャパンで初めての女性社長ですが、女性、LGBT、障害者、移民など、雇用におけるダイバーシティー(多様性)を積極的に進めているロンドン本社のマネジメントでさえ、私を社長に抜てきすることはかなりの思い切った決断でした。 ですから、日本ではもっと意識的に思い切った決断をしなければなりませんね」 日本女性の優秀さは国際社会でも認定されていると吉田さんは言う。 にもかかわらず、世界経済フォーラム(WEF)の2016年版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本の順位は調査対象144カ国のうち111位で過去最低を記録した。 「悲観的にばかりなっても仕方ありません。 日本の改革が遅れているということは、それだけ経済の伸びしろが大きいということ。 1億3千万人の半分が女性だとして、これは世界のアセット(資産)です。 このポテンシャルをどう生かすのか。 みんなで考えて実践しなくては。 改革の痛みはあるが、その痛みは成長のための痛みだから、ためらってはだめ」 ビジネスの現場では、「女性の躍動感」を実感しているという吉田さん。 一方、深刻化するの家庭や問題にも危機感を持つ。 「高い潜在能力を持つ子どもたちは将来の大切な人材。 能力を引き出して伸ばすための十分な教育の機会を与えられないとしたら、日本にとって大きな損失です。 政府も財界も、子どもたちの問題にしっかり取り組むべき」。 シングルマザーたちの生き抜かなければという「強い欲求」を、経済のエネルギーに変換する仕組みづくりがきっとできる、と力強く言う。 優秀な日本女性は世界のアセット(資産)と強調する 自己実現を追究、人生を最大限に生きて輝く 技術革新、デジタル化は霞が関(行政の現場)から率先して進め、官民一体で取り組まなくては「Society 5. 0」の実現はあり得ない。 ただ、技術革新だけではなく、個人の高いモチベーション、自己実現への強い欲求を持つことが社会の変革には大事だと吉田さんは力説する。 「継続的な変革のためには、モチベーションを生かすための仕組みが必要だし、女性人材が社会進出できない規制は取り除くべき。 社会保障や税制などを含めた制度改革、賃金とリンクする評価システム、モチベーションを引き出して指揮するリーダー、この3つの要素が大事です」 ただし、「『女性が輝く』とは、誰もがリーダーになるという意味ではない」と吉田さん。 どんな業界分野にいても、技術革新を使って、子育て、介護もこなし、好きなことを追究する。 自らの意志を持って自分の人生を最大限に広げられる女性が輝く。 そのために、「自分の個性、強みをどれだけ強化できるか、日々切磋琢磨(せっさたくま)が必要」だと言う。 より個人に軸足が置かれた社会には厳しさもある。 「でも、自分を振り返ると、危機的な状況でこそ強くなって、チャンスをつかむことができるのです」 人生80年、90年の時代。 ワークライフバランスを考える際は、1日単位や月単位ではなく、長い人生のスパンで考えるべきだと吉田さんは言う。 「娘には10代の頃は寂しい思いをさせた。 これからが挽回のとき。 社会人となった娘を大いにサポートして、将来は孫の面倒も見るつもり。 70歳で公園デビューを考えています。 そういうバランスの取り方もあるのです」 (参考)【Society 5. 0】 2016年内閣府の総合科学技術・イノベーション会議がまとめた「第5期科学技術基本計画」の中心的な概念。 科学技術基本計画は1995年に施行した科学技術基本法に基づき、5年ごとに改定する。 第5期は2016年度から20年度まで。 「自ら大きな変化を起こし、大変革時代を先導していくため、非連続なイノベーションを生み出す研究開発を強化し、新しい価値やサービスが次々と創出される『超スマート社会』を世界に先駆けて実現するための一連の取組を更に深化させつつ『Society 5. 0』として強力に推進する」(内閣府ホームページ) 取材・構成:ニッポンドットコム編集部 板倉 君枝/大谷 清英(撮影).

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