白血病 遺伝。 急性骨髄性白血病における遺伝子異常をどう考えるか?【CBF白血病における付加的遺伝子異常の特異性,相違性が明らかに】|Web医事新報

白血病キメラスクリーニング(定量)

白血病 遺伝

詳細は「」を参照 はhuman T-cell leukemia virus type 1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の略称である。 かつては1型human T-lymphotropic virus type 1と呼ばれていた。 1980年にはじめてヒトのとして報告され 、(成人T細胞白血病・リンパ腫、adult T-cell leukemia-lymohoma)の原因ウイルスであることが明らかになった。 HTLVにはtype1からtype4まで報告されているがtype1以外の病原性はあきらかではない。 type1のgenotypeはsubtype AからGの7つに大きく分かれ地域性を反映する。 日本のHTLV-1はsubtype Aに含まれる。 は主にHTLV-1感染者のCD4陽性Tリンパ球より検出される。 HTLV-1が感染するととして持続感染する。 すなわち細胞のゲノムにウイルス遺伝子が取り込まれ、細胞中に長期にわたり存在・維持される。 HTLV-1感染者の末梢血液中にはHTLV-1感染リンパ球が存在するがB型肝炎ウイルスなどと異なり、血漿中にはほとんどウイルスを検出できない。 このためHTLV-1感染者の診断はウイルスそのものの検出ではなく、HTLV-1に対する抗体の検出によって行われる。 すなわち、抗HTLV-1抗体陽性であればHTLV-1に感染していることを意味する。 一度HTLV-1に感染すると自然にウイルスが消失することはないと考えられており、終生感染が持続する。 また、HTLV-1感染者の末梢血リンパ球からは遺伝子増幅法(PCR法)によりHTLV-1の遺伝子を検出することができる。 この方法により、HTLV-1のプロウイルス量を測定することが可能である。 HTLV-1は多くの場合は1個のT細胞に1コピー組み込まれるためプロウイルス量はHTLV-1感染細胞数を意味する。 HTLV-1の遺伝子は約9kbの2本のプラス鎖RNAである。 ウイルスゲノムはコアタンパク質、エンベロープタンパク質、などのほかの種々の機能性タンパク質をコードする。 HTLV-1の疫学 [ ] 世界的には日本、中南米、アフリカなどにHTLV-1感染者の多い地域があることがわかっている。 日本の2014年から2015年の調査では80万人程度のHTLV-1感染者がいると推定されている。 かつては九州、沖縄に感染者が多く、全体の40%がこの地域に分布していた。 近年は大都市圏でHTLV-1感染者が増加傾向で地域分布が変化していると考えられている。 HTLV-1感染が原因となって発症するHTLV-1関連疾患にはATL(成人T細胞白血病・リンパ腫、adult T-cell leukemia-lymohoma)、HAM(HTLV-1関連脊髄症、HTLV-1-associated myelopathy)、HAU(HTLV-1関連ぶどう膜炎、HTLV-1-associated uveitis)などが知られている。 HTLV-1感染者のうちHTLV-1関連疾患を発症するのはごく一部であり、ATLの発症率が約5%であり、HAMの発症率は0. 3%である。 大半の感染者はHTLV-1関連疾患を発症することなく生涯を終える。 HTLV-1プロウイルス量が多いHTLV-1感染者はHTLV-1関連疾患の発症リスクが高いと考えられている。 HTLV-1の感染 [ ] HTLV-1感染者の体液中にほとんどフリーのウイルス粒子が検出されず、伝播にはHTLV-1感染細胞が他者の体内に入ることが必要である。 このためHTLV-1の感染力は極めて弱い。 主な感染経路は母子感染と男女間の水平感染である。 母子感染ではを介した伝播が主なものである。 水平感染では性交渉で起こりやすい。 かつてはによる感染も認められたが1986年以降は血液製剤に対するHTLV-1スクリーニング検査が行われており、輸血による感染の危険性はほとんどない。 まれな伝播経路としてがあげられる。 一方、これを人工栄養へ切り替えることによって母子感染はほぼ防げる。 性交による感染は通常、精液に含まれるリンパ球を通じての男性から女性への感染である。 個体内でのHTLV-1増殖の場は主にであると考えられている。 リンパ節で増殖したATL細胞が血液中に流出すると、特徴的なATL細胞が末梢血で見られるようになる。 HTLV-1の発癌機構 [ ] 母乳中のHTLV-1感染リンパ球が乳児の消化管内で乳児のリンパ球に接触することでHTLV-1は新たに感染することができる。 であるため、リンパ球DNAに組み込まれ、ウイルスの再生産を行う。 HTLV-1のp40 taxは宿主細胞のIL-2レセプター遺伝子などを活性化し、その分裂増殖を引き起こす。 こうして無限増殖を繰り返す宿主細胞がその過程でなんらかのエラーをおこし、形質転換をおこし、ATLを発症すると考えられている。 HTLV-1感染の診断 [ ] 一次検査 一次検査では血清抗HTLV-1抗体の有無を確認する。 PA法、CLEIA法、CLIA法、ECLIA法が推奨されている。 一次検査が陰性の場合、HTLV-1感染はないと考える。 陽性であっても偽陽性がふくまれるため確認検査が必要となる。 確認検査 確認検査はWB法もしくはLIAで血清抗HTLV-1抗体の有無を確認する。 確認検査で陽性ならばHTLV-1感染であり、陰性ならばHTLV-1感染ではないと評価する。 確認検査の問題点として判定保留となる場合があることである。 非流行地WB法の判定保留が20%にも及ぶ。 LIA法はWB法より判定保留率が低くなる可能性がある。 判定保留の場合はPCR法でHTLV-1検出を行うことでより正確で信頼性の高い診断が期待できる。 疫学 [ ] 原因ウイルスであるHTLV-Iの感染者は、特にとに多く、他には沿岸諸国、、などに感染者がみられる。 そのため、成人T細胞白血病(ATL)患者もこれらの地域に多くみられる。 日本におけるATLによる年間は約1,000人であり、1998年(10年)以降の10年間に減少傾向はみられていない。 症状 [ ] 症状は病型によって異なる。 急性型やリンパ腫型では、食欲不振、全身リンパ節腫脹、皮膚病変、肝脾腫などの所見や症状が認められる。 またいわゆる腫瘍熱として発熱を認める症例が多い。 ATLの皮膚病変には様々なものがみられ、紅斑型、多発丘疹型、結節腫瘤型、紅皮症型など様々な形態を取りうることが知られている。 重要臓器にATL細胞が浸潤した場合や、を伴う際はその症状を示す。 くすぶり型は無症状であることが多く、あってもほとんどは皮膚病変のみである。 慢性型も同様であるが腫脹を伴う場合もある。 ATLでは強いのため、他の血液疾患でも合併がみられる性肺炎、性肺炎以外に後以外の通常の血液疾患化学療法ではほとんど問題にならないサイトメガロウイルス、ニューモシスチス・ジロベッチ、結核などの合併が認められる。 検査所見 [ ] 検査所見も病型によって異なる。 くすぶり型は末梢血液像で異常リンパ球(腫瘍細胞)が5%以上認められるのが唯一の異常所見であることが多い。 機械式の血液像検査では検出できない場合があるため目視(鏡検)による血液像検査が望ましい。 慢性型は白血球、リンパ球増多が認められる。 くすぶり型や慢性型でもやsIL-2Rが上昇することがある。 ATLの腫瘍細胞は形態的には核に複雑な切れ込みのみられるフラワー細胞が有名であるが、くすぶり型と慢性型ではフラワー細胞がみられることは少なく、ほとんどの腫瘍細胞は軽度のくびれが認められる異型性の軽いものであり、形態診断には注意を要する。 急性型やリンパ腫型ではLDHやsIL-2Rが著増する。 リンパ腫型は末梢血に腫瘍細胞をほとんど認めない。 急性型は定義上は他の3病型の定義を満たさないものとされているが通常は白血球増多があり末梢血中にATL細胞が認められる。 画像所見 [ ] CTではリンパ節腫脹や肝脾腫などの症状に応じた所見が認められる。 診断 [ ] ATLの診断は成熟T細胞性の腫瘍の患者で抗HTLV-1抗体が陽性であることを示すことから始まる。 次にリンパ節や皮膚など生検標本の免疫染色を含む病理診断、末梢血に異常細胞が出現している場合には法によって腫瘍細胞がCD4、CD25が陽性であることを確認する(まれにCD4陰性CD8陽性ATLが存在する)。 これらの検査で概ね確定ができる。 しかしHTLV-1キャリアにATL以外のT細胞細胞が発生することも可能性としてありえるため、厳密にはHTLV-1が腫瘍細胞に単クローン性に組み込まれていることを法で確認できる。 非典型例ではサザンブロット法が診断に必要である。 ATLでは末梢血リンパ球のサザンブロット法で単クローン性の取り込みパターンが認められるがHAMではポリクローナルまたはオリゴクローナルな取り込みパターンとなる。 病型分類 [ ] 1991年に日本臨床腫瘍研究グループ リンパ腫グループ(JCOG-LSG、Japan clinical oncology group-lymphoma study group)は1980年代の全国実態調査で収集されたATL患者の情報から、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4臨床病型を提唱した。 慢性型には予後不良因子があり血清LDH値が正常値上限を超える、血清BUN値が施設正常上限を超える、血清アルブミン値が施設正常値下限を下回るのいずれか1つでも有するかどうかによって亜分類した。 この臨床病型分類は 下山分類として世界的に広く使用されている。 病型分類に必要な情報は末梢血白血球数と白血球分画(自動血球分析ではATL細胞を認識できない場合があるため、原則目視で判断する)、生化学的検査(LDH、Ca、BUN、アルブミン)、リンパ節腫大の有無(有りの場合には組織学的診断)、皮膚や臓器・中枢神経病変の有無である。 急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型ATLをaggressive ATLとよぶ。 予後不良因子を有さない慢性型ATLとくすぶり型ATLをindolent ATLとする。 Aggressive ATLはindolent ATLから移行(急性転化)してあるいはindolent ATLの時期を経ず、もしくはindolent ATLの時期に発見されずに発症する。 予後因子 [ ] ATL-prognostic index ATL-PI プロジェクトは研究に参加した全国81の血液内科医療機関とATL診療を積極的に行っている3つの皮膚科医療機関において2000年代に診断されたATL患者の後ろ向き調査である。 このから同種を受けなかった急性型とリンパ腫型ATL患者に対する予後因子として病期(Ann Arbor分類やLugano分類)、、年齢、血清アルブミン値、血清sIL-2R値の5つを決定した。 算術式から低・中・高リスクの3群に分類するATL-PIを決定し、それをスコア化することによって臨床的に用いやすくしたsimplified ATL-PI sATL-PI を作成した。 くすぶり型、慢性型に対しても同様の作業を行い。 予後因子としてsIL-2Rのみが抽出され、indolent ATL-PI iATL-PI とsimplified iATL-PI siATL-PI を作成した。 治療 [ ] Indolelent ATLでは通常は無症状で緩慢な経過をたどり、早期に治療介入することによる予後改善が認められないため、急性型に移行するまで無治療経過観察される。 皮膚病変に対して皮膚指向性治療が行われるが生存期間の改善に貢献するエビデンスはない。 Aggressive ATLでは70歳以下ならばmLSG15療法(VCAP-AMP-VECP療法)と同種が検討される。 70歳を超える場合はベースの化学療法を救援療法としてはヒト化抗CCR4モノクローナル抗体であるやが検討される。 :+++• VCAP-AMP-VECP療法:+++ -++ -+++• 抗CCR4抗体() 再発難治例に対して保険適応も 他多剤併用化学療法とも合わせて用いられる。 再発難治例に保険適応あり 歴史 [ ] 1970年代の日本の白血病、リンパ腫の論文ではいくつかの興味深い症例報告をみることができる。 西南日本に予後不良のが多いこと、家族内発症が悪性リンパ腫にみられること、が南九州に多いこと、や皮膚T細胞リンパ腫が九州に多いこと、リンパ腫から白血化し、急激に死にいたる症例が認められること、末梢血に核が分葉した奇妙な白血病細胞が認められることなどがあげられる。 これらの多くは2008年(20年)現在の診断能力ではATLと診断されておかしくないものばかりであるが、腫瘍ウイルスが原因とわかったのは1980年代である。 2015年10月21日、らのグループがスパコンの「」を用いて、成人T細胞白血病の遺伝子異常の全貌を解明することに成功したと発表。 本研究は国際科学誌「Nature Genetics」電子版に掲載された。 本研究の結果は、ATLの病気の仕組みの解明に大きな進展をもたらすのみならず、今後、本疾患を克服するための診断や治療への応用が期待される。 分布と縄文人 [ ] ATLのウイルスキャリアが日本人に多数存在することは知られていたが、の周辺諸国ではまったく見出されていない。 いっぽうや、ニューギニア先住民などでキャリアが多い。 日本国内の分布に目を転じると、南九州や沖縄、に特に高頻度で見られ、南部、の南部、の、、などの僻地や離島に多いことが判明している。 、四国、東北の各地方におけるATLの好発地域を詳細に検討すると、周囲から隔絶され交通の不便だった小集落でキャリアは高率に温存されている。 以上より、はこのウイルスのキャリア好発地域は、が高密度で残存していることを示していると結論付けた。 HTLVはかつてのみならず東アジア大陸部にも広く分布していたが、激しい淘汰が繰り返されて大陸部では消滅し、弥生時代になってウイルス非キャリアの大陸集団が日本列島中央部に多数移住してくると、列島中央部でウイルスが薄まっていったが、列島両端や僻地には縄文系のキャリア集団が色濃く残ったものと考えられる。 出典 [ ] []• Lancet Oncol. 2014 Oct;15 11 :e517-26. Front Microbiol. 2017 Sep 22;8:1800. Proc Natl Acad Sci U S A. 1980 Dec;77 12 :7415-9. Blood. 1977 Sep;50 3 :481-92. Proc Natl Acad Sci U S A. 1981 Oct;78 10 :6476-80. Proc Natl Acad Sci U S A. 1982 Mar;79 6 :2031-5. J Clin Microbiol. 2015 Nov;53 11 :3485-91. Lancet Infect Dis. 2007 Apr;7 4 :266-81. J Neurovirol. 1998 Dec;4 6 :586-93. Blood. 2010 Aug 26;116 8 :1211-9. 木下研一郎 「成人T細胞白血病・リンパ腫」 新興医学出版社(平成15年) p102-16• 浅野『三輪血液病学』p. 1491• 浅野『三輪血液病学』p. 1493• 浅野『三輪血液病学』p. 1490• 厚生労働省研究班(班長: 山口一成) 「本邦におけるHTLV-I感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」 平成20年度総括研究報告書• Br J Haematol. 1991 Nov;79 3 :428-37. Blood. 2015 Dec 10;126 24 :2570-7. J Clin Oncol. 2012 May 10;30 14 :1635-40. Blood. 2017 Jul 6;130 1 :39-47. J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28 27 :4177-83. 2015年10月23日. 2015年10月25日閲覧。 日沼頼夫 1998 、『日本農村医学会誌』 46巻 6号 1998年 p. 908-911, : 参考文献 [ ]• 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』、2006年、• 『標準血液病学』、2000年、• 『HTLV-1と疾患』文光堂、2007年、• 『カラーテキスト血液病学』、2007年、• 『がん診療レジデントマニュアル』医学書院、2007年、• 『HTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン2019』、2019年、 関連人物 [ ]• 外部リンク [ ]• - 国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト、2016年5月30日更新、2020年1月21日閲覧• (米国国立がん研究所によるPDQの日本語版)• JSPFAD HTLV-1感染者コホート共同研究班•

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2.白血病の原因

白血病 遺伝

News• カテゴリから探す• Support• 凍結保存は避けてください。 受託可能日は月~金曜日です。 検体採取後、速やかにご提出ください。 他項目との重複依頼は避けてください。 本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。 造血器腫瘍遺伝子検査のご提出について 検体は採取後、当日中にご提出ください。 骨髄液1. 0mLを下図の容器に無菌的に採取し、よく混和させ、冷蔵保存してください。 検体は採取後、当日中にご提出ください。 本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。 診療報酬 D006-2 造血器腫瘍遺伝子検査 遺伝子関連・染色体検査判断料100点• 「悪性腫瘍遺伝子検査」、「造血器腫瘍遺伝子検査」、「免疫関連遺伝子再構成」、「FLT3遺伝子検査」又は「JAK2遺伝子検査」のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合は,主たるもののみ算定する。 月1回を限度として算定できる。 保険請求上の名称は「造血器腫瘍遺伝子検査」です。 H00 旧容器記号 H 保存液入り 容器容量5mL 内容:RPMI-1640 FBS 硫酸カナマイシン ノボヘパリンNa 炭酸水素Na HEPES 貯蔵方法:凍結 有効期間:色が薄いピンクの状態で使用してください。 凍結時は淡黄色ですが解凍すると薄いピンク色に戻ります。 補足情報  白血病キメラスクリーニング 定量 項目名 キメラmRNA遺伝子 白血病キメラ スクリーニング 定量 Major BCR-ABL1、minor BCR-ABL1、PML-RARA、RUNX1-RUNX1T1、CBFB-MYH11、DEK-NUP214、 NUP98-HOXA9、ETV6-RUNX1、TCF3-PBX1、STIL-TAL1、KMT2A-AFF1、KMT2A-AFDN、KMT2A-MLLT3、KMT2A-MLLT1 • 臨床意義 白血病は白血病細胞が無秩序に増加する疾患であり、白血病細胞に特徴的なキメラ遺伝子が発現しています。 診断にはキメラ遺伝子の発現の有無を確認することが重要です。 治療効果判定には高感度な検査を選択することが重要とされています。 白血病疑いの初診時 高発現時 に用いるスクリーニング検査です。 白血病キメラ遺伝子を検出します。 参考文献 測定法文献 飯嶋 健太朗,他:SRL宝函 24 1・2 :65~68,2000. 臨床意義文献 S. Branford,et al:Blood 112 8 :3330~3338,2008.

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急性骨髄性白血病の原因と診断|急性骨髄性白血病(AML)を学ぶ|がんを学ぶ ファイザー

白血病 遺伝

はじめに、一部の白血病については遺伝の影響を受ける病気です。 ただし、遺伝の影響で必ず白血病を発症したり、反対に遺伝的に大丈夫だから絶対に白血病を発症するものではありません。 つまり白血病は親から子へ一定の法則で伝わる病気ではなく、遺伝の影響を受けるのは白血病の発症しやすさの傾向に留まります。 したがって、遺伝的に白血病を発症するリスクの高い方で白血病を発症されない方もいらっしゃいますし、反対に遺伝的に白血病を発症するリスクが低い方でも白血病を発症される方はいらっしゃいます。 この記事では白血病の基本的な知識をご説明させていただいた後、遺伝が白血病の発症リスクに影響を与える仕組み、白血病の発症リスクに影響を与える遺伝子の検査方法をご紹介し、最後に白血病の初期症状や予防方法などについてご紹介をさせていただきます。 Contents• 白血病とは 私たちヒトの血液は白血球・赤血球・血小板といった血液細胞から構成されています。 白血球は外から侵入してきたウイルスや細菌などの異物を排除するため、抗体を作ったり異物を攻撃して排除したりする役割があり、赤血球は呼吸により取り込んだ酸素を体中に運搬する役割が、血小板には出血を止める役割があります。 これら血液の細胞は骨の内部に存在するゼリー状の骨髄と呼ばれる場所で、血液細胞の元になる造血幹細胞から白血球・赤血球・血小板へと成長していきます。 そしてこれらの成長は造血幹細胞が白血球・赤血球・血小板へ分かれて変化していく様から「分化」と呼ばれています。 正常な状態であれば、造血幹細胞は一定の決まりに従って白血球・赤血球・血小板へ分化していきますので血液細胞のバランスが崩れることはなく、また造血幹細胞自体の増殖についてもきちんとコントロールされているため無制限に血液細胞が増えていくことはありません。 この造血幹細胞が少し分化した段階でがん化してしまい、その後の分化や増殖に異常が起きてしまう状態を白血病と呼びます。 上記の理由から白血病は血液のがんとも言われています。 2兆個の細胞から構成されており、新しい細胞ができては古くなった細胞と入れ替わっています。 1つの細胞が2つに分裂することで新しい細胞が作られていくわけですが、正常な細胞であれば周囲の状態を検知し必要に応じて細胞分裂を行うのに対し、がん化した細胞は際限なく分裂を繰り返し増殖していきます。 白血病においては増殖異常だけではなく分化の異常も引き起こします。 白血病の種類 白血病は急速に進行していく「急性白血病」と比較的ゆっくりと進行していく「慢性白血病」に分けられ、またがん化した血液細胞が骨髄性のものかリンパ性のものかによって「骨髄性白血病」と「リンパ性白血病」に分けられます。 急性白血病 急性白血病では幼若な白血球(分化が完了していない未熟な白血球のこと。 以下「 白血病細胞」と呼びます)が無制限に増えていきます。 急性白血病における白血病細胞はその後完全に分化することはなく、正常な白血球・赤血球・血小板は白血病細胞が増える分だけ減少していきます。 慢性白血病 慢性白血病でも白血病細胞は無制限に増えていきますが、慢性白血病における白血病細胞には分化する力が残されていますので、白血病細胞だけでなく分化した血球(特に白血球)も相対的に増えていきます。 慢性白血病が進行していくにつれて次第に白血病細胞は分化する能力を失っていきます。 骨髄性白血病 白血病細胞の影響で好中球・好酸球・好塩基球といった顆粒球(外から侵入した異物を排除する役割を果たす白血球の一種)に異常が現れた白血病を骨髄性白血病と呼びます。 リンパ性白血病 白血病細胞の影響でリンパ球(外から侵入した異物に対抗するための抗体を作り出す白血球の一種)に異常が現れた白血病をリンパ性白血病と呼びます。 以上のとおり白血病は大きく「急性骨髄性白血病」、「急性リンパ性白血病」、「慢性骨髄性白血病」、「慢性リンパ性白血病」の4つの種類に分けられます。 年齢別の白血病罹患率 白血病は他のがんの発症年齢の傾向と比較すると14歳未満での罹患率が高いことが特徴で、男性は40〜45歳、女性は50〜55歳頃から急激に罹患率が上昇する傾向にあります。 (がん研究振興財団「がんの統計2015年版」より引用) 白血病の内訳 全白血病に占める急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・慢性骨髄性白血病の割合は以下のとおりです。 病名 男性における発症割合 女性における発症割合 急性骨髄性白血病 62. 近年において患者数の著しい変動は見受けられません。 白血病の症状 白血病の症状は急性白血病と慢性白血病で大きく異なりますので、それぞれに分けて主な症状をご説明いたします。 急性白血病の症状 急性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病を発症した場合、白血病細胞が増殖し正常に分化した白血球・赤血球・血小板が減少しますので、以下のような症状が引き起こされます。 白血球の減少によって引き起こされる症状 白血球の減少によって外から侵入してくるウイルスや細菌に対する抵抗力が弱くなるため、肺炎や尿路感染症、肛門周囲膿瘍、敗血症などの感染症の合併を引き起こします。 赤血球の減少によって引き起こされる症状 赤血球の減少によって肺に取り込んだ酸素が正常に体中に運ばれなくなるため、だるさや息切れ、動悸といった貧血症状を引き起こします。 血小板の減少によって引き起こされる症状 血小板の減少によって出血が止まりにくくなるため、皮下出血や鼻出血、歯茎からの出血などがよく見られるようになります。 またひどくなると胃腸などの臓器からの出血や脳出血などを引き起こす場合もあります。 そのほかにも肝臓や脾臓などの臓器の腫れ、歯茎やリンパ節の腫れ、関節痛や原因不明の発熱などの症状が現れるようになります。 慢性白血病の症状 慢性骨髄性白血病や慢性リンパ性白血病を発症した場合、慢性期から急性期へと病気が進展していきます。 慢性白血病の慢性期の症状 慢性白血病の慢性期においては白血病細胞が増加していくものの、まだ分化する能力が残されていますので、白血病細胞だけではなく分化後の血液細胞(特に白血球)が増加していきます。 全身のだるさや肝臓や脾臓の腫れに伴う腹部の膨満感や、合併症により胃潰瘍を引き起こすことがありますが、自覚症状が現れることはまれであり、ほとんどの方が健康診断の血液検査の結果、白血球の数が異常に増加していることから慢性白血病を発見されるケースがほとんどです。 慢性白血病の急性期の症状 慢性白血病の急性期に入ると白血病細胞が白血球・赤血球・血小板に分化していく能力を失っていきますので、急性白血病と同様に白血球の減少・赤血球の減少・血小板の減少に伴う症状が引き起こされます。 (症状の詳細は「急性白血病の症状」をご参照ください。 ) 白血病の原因 白血病細胞では遺伝子の異常が多く見つかっていることから、白血病には遺伝子の異常が深く関与しており、この遺伝子の異常こそが白血病の原因と考えられています。 遺伝子は細胞の中に存在する染色体の中に組み込まれていますので、白血病を発症された方の細胞を調べると染色体の異常が起きていたり、あるいは染色体は正常に見えても染色体に組み込まれた遺伝子に異常が起きているケースがあります。 染色体や遺伝子については以下の記事で詳しく解説しています。 急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病の原因 急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病はなんらかの原因で遺伝子に傷がつくことによって始まる遺伝子の異常が原因と考えられています。 放射線の被曝や抗がん剤の服用、ウイルスの感染、ベンゼンやトルエンといった化学物質などが急性白血病の発症要因になると考えられていますが、ほとんどのケースにおいて原因は特定できていないというのが現状です。 具体的には、ヒトの細胞の中には1番〜22番までそれぞれ2対で存在する常染色体44本と性染色体2本が存在するのですが、このうち第9染色体と第22染色体の一部の入替が起きてしまい、本来であれば第9染色体に存在する「ABL遺伝子」と第22染色体に存在する「BCR遺伝子」が同じ染色体上に組み込まれてしまい、「BCR-ABL遺伝子」と呼ばれる異常な遺伝子が出来上がってしまい、この遺伝子から生成される異常なタンパク質が慢性骨髄性白血病の原因とされています。 また元々持っている遺伝子の構造によって、統計的に慢性骨髄性白血病の発症率が高くなったり低くなったりすることから、一人一人が持っている遺伝子も慢性骨髄性白血病の発症リスクに影響を及ぼすと考えられています。 慢性リンパ性白血病の原因 慢性リンパ性白血病の原因は上述してきた白血病と同じように染色体の異常を伴うことも珍しくありませんが、具体的な原因は現在でも解明されていません。 なお、慢性リンパ性白血病も慢性骨髄性白血病と同様に、遺伝子の構造によって統計的に慢性リンパ性白血病の発症率が高くなったり低くなったりすることから、一人一人が持つ遺伝子も発症リスクに影響を及ぼすと考えられています。 白血病の発症リスクが遺伝する仕組み 上述したとおり、慢性骨髄性白血病と慢性リンパ性白血病の発症リスクについては遺伝子の影響を受けます。 つまり、これらの白血病の発症リスクが高くなるヒトは特有の遺伝子の構造(リスクアレル)を持っています。 ヒトは2つの同じ種類の染色体(相同染色体)をもっていますので、染色体の中に存在する遺伝子も同様に同じ種類の遺伝子が2つあり、『2つの遺伝子がリスクアレル>1つの遺伝子がリスクアレル>リスクアレルの遺伝子なし』の順番で白血病の発症リスクが高くなる傾向にあります。 ヒトは生まれる際に遺伝によって両親から1つずつ同じ種類の染色体を授かりますので、同時に白血病の発症リスクに関係する遺伝子も遺伝により両親から1つずつ授かることになり、白血病の発症リスクは遺伝することを説明することができます。 上記の白血病の発症リスクの遺伝現象をイラストで説明すると以下のとおりになります。 遺伝子と白血病の発症リスクの関係は統計的に調査されたものであり、リスクアレル遺伝子を持っているヒトはそうでないヒトに比べて統計的に白血病の発症リスクが高くなる傾向が見られるという意味合いに留まります。 具体的にはリスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトと、リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒト、リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトを大勢集め、それぞれのグループに分けて白血病の発症率を調べると「リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つ持っているヒトのグループ>リスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトのグループ」の順番で白血病の発症率が高くなります。 一方でグループの中のひとり一人に着目すると、リスクアレル遺伝子を2つ持っているヒトで白血病を発症されていない方もいらっしゃいますし、反対にリスクアレル遺伝子を1つも持っていないヒトで白血病を発症されている方もいらっしゃいます。 以上の理由から、 リスクアレル遺伝子は白血病の発症リスクを高くする《傾向》があると理解することが大切です。 以下でご紹介する内容はVaDE(ゲノム情報データベース)やNBCD(バイオサイエンスデータベースセンター)等で公表されている内容を参照して ゲノラボが独自にまとめたものであり、遺伝子検査サービス会社が実施する遺伝子検査の方法を説明したものではありませんのであらかじめご了承願います。 遺伝子分野の研究が進み、白血病のうち「慢性骨髄性白血病」と「慢性リンパ性白血病」の発症リスクと関連する遺伝子が解明されており、具体的には以下の通りそれぞれの発症リスクに関連する遺伝子を検査していきます。 慢性骨髄性白血病の発症リスクに関係する遺伝子の検査方法 慢性骨髄性白血病の発症リスクを評価するためには該当の遺伝子がリスクアレルかどうかを検査していくわけですが、リスクアレルの構造に該当するかどうかは遺伝子の特定の箇所に存在する塩基の種類を調べることにより確認します。 具体的には以下のとおり該当の遺伝子について検査します。 該当の位置に存在する塩基がアデニン A かシトシン C かによって慢性骨髄性白血病の発症リスクが変わり、シトシン C である場合は慢性骨髄性白血病になりやすい体質、アデニン A である場合は慢性骨髄性白血病になりにくい体質と評価されます。 (つまりシトシン C がリスクアレルとなります。 ) したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとCC>CA>AAの順番で慢性骨髄性白血病の発症リスクが高くなります。 九州大学が87名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるシトシン C を持つ日本人の割合が51. この結果を参照すると、最も慢性骨髄性白血病の発症リスクが高くなるCCの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が26. 慢性リンパ性白血病の発症リスクに関係する遺伝子の検査方法 慢性リンパ性白血病の発症リスクに関係するリスクアレルを持つ遺伝子は複数種類存在することから、単純に1種類の遺伝子だけで慢性リンパ性白血病の発症リスクが決まるわけではなく、多数の遺伝子の内容が絡み合って慢性リンパ性白血病の発症リスクを決定付けています。 したがって、慢性リンパ性白血病の発症リスクを評価するためには複数の遺伝子がリスクアレルかどうかを検査していくわけですが、リスクアレルの構造に該当するかどうかは遺伝子の特定の箇所に存在する塩基の種類を調べることにより確認します。 具体的には以下のとおり複数の遺伝子について検査します。 第2染色体に存在する遺伝子 第2染色体に存在するACOXL遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響による慢性リンパ性白血病の発症リスクを検査できます。 該当の位置に存在する塩基がアデニン A かグアニン G かによって慢性リンパ性白血病の発症リスクが変わり、グアニン G である場合は慢性リンパ性白血病になりやすい体質、アデニン A である場合は慢性リンパ性白血病になりにくい体質と評価されます。 (つまりグアニン G がリスクアレルとなります。 ) したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとGG>GA>AAの順番で慢性リンパ性白血病の発症リスクが高くなります。 第3染色体に存在する遺伝子 第3染色体に存在するMYNN遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響による慢性リンパ性白血病の発症リスクを検査できます。 該当の位置に存在する塩基がチミン T かシトシン C かによって慢性リンパ性白血病の発症リスクが変わり、シトシン C である場合は慢性リンパ性白血病になりやすい体質、チミン T である場合は慢性リンパ性白血病になりにくい体質と評価されます。 (つまりシトシン C がリスクアレルとなります。 ) したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとCC>CT>TTの順番で慢性リンパ性白血病の発症リスクが高くなります。 九州大学が74名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるシトシン C を持つ日本人の割合が44. この結果を参照すると、最も慢性リンパ性白血病の発症リスクが高くなるCCの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が19. 第4染色体に存在する遺伝子 第4染色体に存在するLEF1遺伝子の特定の位置の塩基を確認することで、遺伝子の影響による慢性リンパ性白血病の発症リスクを検査できます。 該当の位置に存在する塩基がアデニン A かシトシン C かによって慢性リンパ性白血病の発症リスクが変わり、アデニン A である場合は慢性リンパ性白血病になりやすい体質、シトシン C である場合は慢性リンパ性白血病になりにくい体質と評価されます。 (つまりアデニン A がリスクアレルとなります。 ) したがって、親から遺伝により1つずつ継承した2つの遺伝子の塩基の組み合わせ(遺伝子型)で考えるとAA>AC>CCの順番で慢性リンパ性白血病の発症リスクが高くなります。 九州大学が74名の日本人を対象に調査したところ、リスクアレルであるアデニン A を持つ日本人の割合が40. この結果を参照すると、最も慢性リンパ性白血病の発症リスクが高くなるAAの遺伝子の組み合わせをもつ日本人の割合が16. その他の慢性リンパ性白血病の発症リスクに関係する遺伝子 慢性リンパ性白血病の発症リスクについては多くの遺伝子との関連が明らかになっており、遺伝子検査では上記に掲げたほか以下の遺伝子等に存在するリスクアレルを確認していきます。 以下に白血病の発見のキッカケとしてよく報告されている症状を列挙させていただきましたのでご参考にしていただければ幸いです。 長引く風邪 正常な白血球の数の減少等により外部から侵入してくるウイルスや最近への免疫力が低下することから、今までは治っていた風邪が長引きなかなか治らないといった症状を引き起こします。 倦怠感・動悸・息切れ 正常な赤血球の数の減少等により体中に運ばれる酸素の量が減少し、倦怠感や動悸、息切れといった症状を引き起こします。 鼻血・歯肉からの出血 正常な血小板の数の減少等により血が止まりにくくなり、鼻血や歯肉からの出血が引き起こされます。 また皮下出血(アザ)などもよく見られる症状として挙げられます。 慢性白血病の初期症状・前兆 慢性骨髄性白血病や慢性リンパ性白血病は急性白血病とは異なり、白血病細胞が正常な白血球・赤血球・血小板に分化することができる数年間の慢性期を経て、白血球細胞が正常な白血球・赤血球・血小板に分化することができなくなる急性期へと移行していきます。 したがって慢性骨髄性白血病や慢性リンパ性白血病で初期症状が見られるのは非常にまれなケースであり、多くの方が血液検査で白血球の異常等を指摘されることがキッカケとなり、その時点で自覚症状がないケースがほとんどです。 慢性白血病の初期に当たる慢性期で報告されている症状として以下のようなものが報告されています。 倦怠感の増加 慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病の共通の初期症状として報告されているもののひとつとして全身のだるさを感じるケースが挙げられています。 臓器の腫れ 慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病の共通の初期症状として報告されているもののひとつとして脾臓の腫れに伴う腹部の膨満感を感じるケースがあげられています。 脾臓の腫れは慢性期によく見られる症状ですが、自覚症状として気づかないケースも多いとされています。 また慢性骨髄性白血病の慢性期においては肝臓の腫れが見受けられるケースがあり、慢性リンパ性白血病の慢性期においてはリンパ節の腫れが見受けられるケースもあります。 白血病の予防方法 上述してきたとおり、白血病の原因は遺伝子の傷であるとされていますが、なぜその傷がつくのか具体的な因果関係は未だ解明されていません。 したがって、白血病の明確な予防策は現時点では存在していませんが、予防策をひとつ挙げるとすれば「禁煙」をオススメします。 タバコの煙には4,000種類もの化学物質が含まれており、そのうち200種類の化学物質は有害物質と考えられています。 白血病との関連において特に注意したいのがタバコに含まれるベンゼンやトルエンで、ベンゼンやトルエンは具体的な因果関係は解明されていないものの白血病の原因となる遺伝子の傷を作るキッカケになると考えられています。 国立がん研究所が公表している内容によれば、リンパ性白血病については研究報告が少なく報告結果も一致していないことから喫煙とリンパ性白血病の因果関係は不明であるとしているものの、骨髄性白血病と喫煙との間には明確な因果関係があるものとして結論づけられており、また喫煙期間が長く、喫煙本数が多いほど骨髄性白血病のリスクは上昇するものとされています。 同じく国立がん研究所が公表している白血病リスクの分析によると、喫煙者の女性における骨髄性白血病のリスクの上昇は解明されていないものの、喫煙者の男性においては骨髄性白血病のリスクが1. 5倍に上昇するものと報告されています。 今後白血病と喫煙との因果関係もさらに解明されていくことが予想されますが、すでに現時点で白血病の原因となる遺伝子の傷のキッカケを引き起こすものとしてベンゼンやトルエンの存在が挙げられており、このベンゼンやトルエンはタバコの煙に含まれていることはまぎれもない事実ですので、タバコが白血病の発症とまったく無関係だとすることは無理があるでしょう。 以上の理由から、今現在喫煙者の方であり、白血病の予防を考えていらっしゃる方は今すぐ禁煙されることをオススメします。 おわりに いかがでしたでしょうか。 白血病の原因は遺伝子の傷であるとされていますが、その遺伝子の傷がどのようなキッカケで引き起こされるのか、いくつか考えられる原因は挙げられているものの具体的な因果関係は未だ解明されていないというのが現状です。 遺伝研究の発展などにより医療は日々進歩していますので、将来的に白血病の具体的な原因が解明されることは大いに期待できるものですが、今現実的に考えられる最善の策は白血病を早期に発見し完治や寛解を目標にするということです。 (寛解とは、完治まではいかないものの、症状を軽く治めて白血病とうまく付き合っていくことを指します。 ) 白血病を早期に発見するためには、「体の調子が悪いと感じたらすぐに病院で受診すること」と「定期的に血液検査を受けて万が一血液の異常が起きた時に気づくことができる仕組みを作っておくこと」が大切です。 また、遺伝的な自分の白血病の発症リスクをあらかじめ把握しておくこともオススメです。 今では遺伝子検査を受けることによって白血病の発症リスクを知ることができますので、気になる方は心に溜め込まずに思い切って検査を受けておきましょう。 当サイトでは、遺伝の基本的な知識から、遺伝がカラダやココロに与える影響や、遺伝と病気との関係性などについて様々な記事をご紹介していますので、お時間がよろしければ是非他の記事もご覧ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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