デザイン カウンシル。 VW ゴルフ 新型など3車種、自動車ブランドコンテストで受賞…新世代EV 『ID.3』は最高評価

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したとおり、世界で最初にクリエイティブ・インダストリー政策に取り組み始めた英国は、政策による支援の対象としてクリエイティブな産業を扱っているだけではなく、以下に説明するとおり、政策の企画やデザインそのものがクリエイティブなものとなっています。 そして、クリエイティブ・インダストリーに対して政策として取り組むにあたり、さまざまなパートナーシップを構築しているという点が、最大の特徴となっています。 以下において、代表的な4つのパートナーシップ事例を概観してみましょう。 [ ] 1.アーティスト等と初等中等教育とのパートナーシップ「クリエイティブ・パートナーシップ」 とは、イングランド全域の若者を対象として、彼らの向上心を喚起し、彼ら自身の未来のために準備をするよう、彼らのスキルを発展させるように企画されたもので、2002年4月から開始された教育雇用訓練省(DfES:Department for Education and Skills)のフラッグシップ的な教育プログラムです。 同プロジェクトにおいては、学校とクリエイティブなプロフェッショナル(建築家、科学者、マルチメディアの開発者、アーティスト等を含む)との間の長期間のパートナーシップを、クリエイティブに構築しています。 Creative PartnershipのWebサイトによると、2002年以降2008年10月現在で、同プログラムはイングランド中の2,700校以上の学校において導入され、合計で12,800校を超える学校が(プログラムの普及などで)何らかの関連を持ったとのことです。 同サイトにて紹介されているように、同プログラムの実施によって、さまざまな社会的効果が確認されています。 2.デザイナーと活用現場とのパートナーシップ「デザイン・アゲンスト・クライム」 日本で「デザイン」というと、「グラフィック・デザイン」や「プロダクト・デザイン」等が主にイメージされます。 これに対して、英国のデザイン政策は、経済を強化し社会を改善していくにあたり、デザインが重要な役割を果たすという考えに基づいて、英国のビジネスセクターと公共部門のあらゆる場所において、デザインの活用を促進している点が大きな特徴となっています。 そして、DCMSおよびBISの両省の所管のもと、実際のデザイン政策を担当しているのが、「デザイン・カウンシル」(Design Council)です。 デザイン・カウンシルでは、デザインに関する戦略計画"The Good Design Plan"を2008年に策定しており、これは2008年から2011年の4か年で達成すべき内容を示したものとなっています。 この"The Good Design Plan"では5つの目標が掲げられていますが、「目標1」の「公共部門におけるデザイン」の一環として、デザイン・カウンシルが主導して、[ ]という、犯罪抑制のための興味深い施策が実施されているので、以下に紹介します。 この"Design Against Crime"プロジェクトは、英国政府とデザイン・カウンシル、そして複数の大学・機関によって資金提供されています。 同プロジェクトのWebサイトでは、「デザインとは現実の課題に基づき、これを解決すべきである」「デザインは機能性や美的感覚だけでなく、"安全"という問題も扱うべきである」「安全なデザインとは犯罪者には近寄りがたいと同時に、一般市民にはユーザーフレンドリーで、かつ美しくなければならない」といった、同プロジェクトの哲学が紹介されています。 [ ] "Design Against Crime"のアウトプットは、椅子、割れても危なくないグラス、ハンドバッグ、子ども服、学校、児童公園、バス停、駐車場、高層住宅、スーパーマーケットの内装等、多岐にわたっていますが、いずれも犯罪や事故を抑制するためのデザインという点が特徴となっています。 具体的な事例としては、「カフェ等における置き引き対策のため、バッグ等を安全に引っかけることができるようなデザイン」の椅子などがあります。 [ ] 上述した"Design Against Crime"の事例から理解できるとおり、英国の公共部門における「デザイン」とは、単なるモノのデザインの領域を超えており、拡張概念としてのデザイン政策となっています。 すなわち、「デザイン」という概念が新しい文脈で捉えられており、社会が直面する複雑な課題を解決するための、新しいソリューションを開発するプロジェクトとなっている点が大きな特徴です。 3.国民と政府情報とのパートナーシップ"Power of Information" 英国政府は、クリエイティブ・インダストリー政策の一環としてデジタル政策にも積極的に取り組んでいます。 DCMSとBISの二つの省は共同で、英国における包括的なICT政策"Digital Britain"を策定し、その最終報告書を2009年6月に公表しました。 同報告書では、デジタル全般の政策を包括する22の実施計画(action)が提案されていますが、特に注目すべきは"Power of Information"と名付けられた新しい取り組みです。 この"Power of Information"とは、一言でいえば、政府が管理する公共財としてのさまざまな情報を対象として、国民による再利用を促進しようという施策です。 実は上述した"Digital Britain"に先だつ2008年7月から、英国政府は"Show Us a Better Way"(もっと上手な方法を教えてください)というプロジェクトを開始しています。 これは、政府が収集・作成した膨大な公的な情報を再利用して、公共に再度還元するためのよりよい方法を公募するコンペティションです。 2008年11月に、同コンペの採択案が公表されており、採択案には合計で2万ポンドの開発資金が提供されました。 例えば、採択案の一つである"Loofinder"は、ユーザーが「郵便番号」か「ストリート名」を入力すると、最寄りの公衆便所の情報(位置、地図、使用可能時間帯、設備)を提供するサービスです。 [ ] また、同サイトでは、アイディアを検討するにあたってのヒントとして、公共情報をマッシュアップした既存の事例を掲載していますが、そのうちの一つとして"Fix My Street"が紹介されています。 この"Fix My Street"(ウチの前の通りを修理して)は、ユーザーが地元の環境に関する問題を簡単に報告できるWebサイトです。 ユーザーは、損壊や故障等の問題のある場所の住所または郵便番号と問題の状況について報告します。 その際にユーザーは、写真を添付することもできます。 報告はその問題を修理できる関連地方公共団体にすぐに連絡される仕組みです。 また、上述した"the Power of Information"と並行して、英国イノベーション・大学・技能省(DIUS。 現在はBIS)は、2008年9月から、というプロジェクトを開始しています。 同プロジェクトでは、英国の公共機関による「ソーシャル・メディア[ ]を活用したWebサービス」の事例を収集しています。 [ ] 収集された事例のうち、例えば、[ ]は、イギリス西部の港湾都市・ブリストル(Bristol)市が運営するWebサイトで、住民や訪問者が市内の環境について同サイトに投稿・共有することができます。 例えば、同サイトのうち、"the Quiet Spaces Map"では、市内で交通騒音からの影響が無い"Quiet Spaces"に関する情報を住民から公募しており、そのデータをGoogleマップに落とし込んで共有しています。 こうした公共情報を国民と協同で"再"公共化し、情報における所有と利用の分離を進める政策は、Webに新しいコモンズ(共有地)を生み出そうとする動きであると読むこともできます。 そして、こういう動向こそ、いわゆる「スマート・シティ」または「クラウド・コンピューティング」と称されるものの、真の価値ではないかと筆者は考えています。 4.DCMSとさまざまな省庁とのパートナーシップ クリエイティブ産業が、複数の省にわたる総合的な政策であるという点に関しては、DCMSの年次報告書にて「DCMSにおいては、クリエイティブ産業に関してフォーカスすべき2つの業務がある。 一つは映画、音楽、放送といった特定の産業に関する課題であり、もう一つは、政府内における政策の責任が複数の省にわたるという横断的な課題である」と記述されていることからも理解できるとおり、同政策に取り組み始めた当初から明確な課題として認識されていました。 [ ] 現在、こうした課題を解消するために、クリエイティブ産業に関する英国政府の戦略の企画・調整を行っている組織は、三層構造になっています。 一つはDCMSのCreative Economy Programを中核とする"Delivery Partners Group"という組織です。 同組織のメンバーはDCMS、BIS(旧BERR、旧DIUS)の主要な2省の大臣のほか、政府関連組織としてブリティッシュ・カウンシル、UK Trade and Investment、RDAs、また、クリエイティブ産業界からヒューレット・パッカード社、ロイヤル・オペラ・ハウス、チャンネル4(TV局)などのトップが参加しています。 その他、高官レベルによる「プログラム委員会」および実務担当者レベルによる「共同グループ」という別の2つのレベルでも他省との調整が図られています。 [ ] このように、英国の「クリエイティブ・インダストリー」政策がうまく機能しているように見える背景には、DCMSがこの活動のリーダーシップをとりつつ、さまざまな政府機関等が連携する、三層の調整機構が機能しているためだと考えられます。 こうした広範かつ主要な省庁間での調整は、「資金調達」という大きな副次的効果を生んでいます。 DCMSの"Annual Report"を確認すると、"Creative Economy"という経費項目が最初に予算が計上されるのは実はつい最近で、2008年時点のことなのです。 いい換えると、2008年以前は"Creative Economy"という費目では、DCMSにおいては政策の予算は計上されていなかったということになります。 このことは日本では案外と理解されていない事実ですが、政策として「クリエイティブ・インダストリー」が正式に位置づけられたのは、実は2008年からのことであり、「クリエイティブ・インダストリー」とはその意味においては極めて新しい政策なのです。 実は、もともとDCMS自身は潤沢な予算を持っていたわけではありませんが、こうした状況の中でDCMSの担当者は、DCMSでは他省の政策予算の中でクリエイティブ・インダストリーの振興のために活用できそうな資金の存在を明確化し、当該政策の資金をクリエイティブ・インダストリーのために活用するためには、どのようなプロポーザルを実行すればよいのか等、他省へのロビイング活動を地道に展開していたのです。 そして、このような調整によって集約された資金は、なんと総額で7,000万ポンド[ ]にも達したとのことです。 [ ] 英国における市場規模 こうした取り組みの効果もあり、英国のクリエイティブ・インダストリーの粗付加価値額(GVA)は、2007年において合計599億ポンド[ ]に達しており、英国産業全体の6. 2%を占めています。 この結果は、DCMSがデータを集計し始めた1997年からちょうど10年後の2007年にかけて、2倍以上に増加していることを意味しています。 また、輸出額も順調に増加していて、2006年には160億ポンドに達しています。 そして、雇用者数については、2007年に合計約200万人となっています。 その他、事業所数も2004年以降に順調に増加しており、2008年には15. 7万件に達しています。 [註]• 本稿の記述は、太下義之「英国の「クリエイティブ産業」政策に関する研究」(『政策・経営研究』2009 vol. 3、2009)を元に作成。 クリエイティブ・パートナーシップWebサイト:• この"Design Against Crime"という名称は、英国の建築家・社会学者であるBarry Poynerによる同名の著書から採用されたものと推測される。 Design Against Crime Webサイト:• この椅子は、ニューヨーク近代美術館の展覧会においても展示された、とのこと。 (Design Against Crime Webサイトより)• "Show Us a Better Way" Webサイト:• ユーザー自身がコンテンツを創造・発信していくメディア。 Digitalgovuk Webサイト:• Bristolstreets Webサイト:• DCMS「Annual Report 1999」(、参照2010-09-09)• DCMSへのインタビュー調査(2009年3月実施)• 1ポンド=130円で換算して、約91兆円• CMSへのヒアリング調査(2009年3月実施)• 1ポンド=130円で換算して、約7. 8兆円 (2010年11月15日).

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文化庁の平成23年度概算要求に「日本版アーツカウンシルの試行的導入」で5600万円が計上されました。 大変に結構なことだと思います。 平成13年に「文化芸術振興基本法」の制定が話題になった時に、現在大阪市立大学大学院の佐々木雅幸氏と私は、第三者機関であるアーツカウンシル制度を条文化すべきと主張したほどですから、「試行的導入」であれ、制度化へ向けて第一歩を踏み出せたことを素直に喜びたいと思います。 その頃私は、小泉改革で「特殊法人改革」が俎上に上っていることもあって、日本芸術文化振興会の基金部門である芸術文化振興基金を完全に民営化 NPO法人化 して、日本版アーツカウンシルを創設すべきと主張していました。 活動を評価するプログラム・ディレクターには、アーチストや公共劇場・ホールの制作者をキャリア・ブレイク サバティカル で1年間から3年間程度雇用するのが良いのではないか、と講演で喋ったことがあります。 キャリア・ブレイクは、長期間創造現場から一時的に離れて「充電する」という意味であり、自分以外の創った舞台を評価することで、ふたたび現場に戻った時に創造的な飛躍が期待できると考えました。 なぜキャリア・ブレイクなのかと言えば、現場経験の薄い、あるいはまったく未経験の人間が評価することに、芸術の創造現場の人間が堪えられるかという「事情」があります。 平田オリザ氏は「ポスドク」が良いと提案して、彼らの就職先になるのも一つの考えと言っていますが、それでは、「なぜいまアーツカウンシルなのか」の答えにはならない、と私は思えます。 実際の高等教育現場で働いていた立場から言いますと、「ポスドク」程度の批評力と評価力ではこの重責は担えません。 だいいち創造現場が承知しないでしょう。 私は、指揮者、演出家、俳優、演奏家、技術スタッフが一時的に創造現場を離れるキャリア・ブレイクをして評価機関に在籍するのが説得性はあるし、あわせて現場復帰後の彼らに芸術的進化や技術的向上をもたらすと考えます。 在外研修もよいですが、このようなキャリア・ブレイク制度を設けるのも一案ではないでしょうか。 あわせて、評価機関には、公認会計士、経営コンサルタント、教育専門家などを雇用すべきです。 創造現場が、「ポスドク」の人間に評価され、審査されて納得するとは到底思えません。 なぜ、いま「アーツカウンシル」なのかと言えば、文化庁の事業説明にあるように「現場の実情を把握したうえで、審査員による専門的な審査・評価を行い、文化芸術活動への助成に関するPDCAサイクルを確立するため、日本版アーツカウンシルを試行的に導入する」というのです。 つまり、現行のように学者・研究者や評論家が審査することで、本当に公平適正な評価が出来ているかどうかという現場からの不信感があるのではないでしようか。 そのことは頻繁に耳にします。 現に予算上の費目の価格設定が不当に高かったり、非常識なほどに相場を外れていても、そこは問題としないで というより、「相場価格」を知らないので 「この団体は支援したい」という評論家の一言で補助金・助成金の採択がされたり、地域の公共劇場・ホールの事業を審査する委員が、地域にはただの一度も行ったことがないという不条理もあります。 地域の公共劇場・ホールのことは「伝聞」や「申請書類」で価値判断しているのが現状です。 そのようなことがまかり通っているのですから、創造現場の人間からしてみれば、「不満」であり、「不安」であり、つまりが「不信」であるというのが正直なところでしょう。 とは言っても、誰が審査しようと恣意性はついてまわるものであり、キャリア・ブレイクで演出家や俳優や劇場ディレクターが審査しても、相対的に審査される側の「不満」や「不安」や「不信」が軽減するに過ぎないことは言うまでもありません。 しかし、この「軽減」が、アーツカウンシル創設で求められているのではないでしょうか。 むろん、行政機関から一定の距離を持った「アームス・レングス」を実現するという提案理由はあると思います。 が、しかし、突如として「日本版アーツカウンシル」が俎上にのぼる緊急性の根拠に「アームス・レングス」にあるとは思えません。 文化庁でも、芸術文化振興基金の現行の制度でも、文化芸術に見識のない公務員や事務職員が価値判断しているわけではないのです。 価値判断しているのは、おおよそ学者や研究者や評論家です。 したがって、ここまで前のめりになって「日本版アーツカウンシル」を求める根拠は、評価や審査への「不満」や「不安」や「不信」ではないかと推察されます。 したがって、それを「軽減」するには、あくまでも相対的にではあるのですが、キャリア・ブレイクの制度化が必要なのではないかと思っています。

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定義 EDC: エンジニア リング ・ デザイン ・ カウンシル

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文化庁の平成23年度概算要求に「日本版アーツカウンシルの試行的導入」で5600万円が計上されました。 大変に結構なことだと思います。 平成13年に「文化芸術振興基本法」の制定が話題になった時に、現在大阪市立大学大学院の佐々木雅幸氏と私は、第三者機関であるアーツカウンシル制度を条文化すべきと主張したほどですから、「試行的導入」であれ、制度化へ向けて第一歩を踏み出せたことを素直に喜びたいと思います。 その頃私は、小泉改革で「特殊法人改革」が俎上に上っていることもあって、日本芸術文化振興会の基金部門である芸術文化振興基金を完全に民営化 NPO法人化 して、日本版アーツカウンシルを創設すべきと主張していました。 活動を評価するプログラム・ディレクターには、アーチストや公共劇場・ホールの制作者をキャリア・ブレイク サバティカル で1年間から3年間程度雇用するのが良いのではないか、と講演で喋ったことがあります。 キャリア・ブレイクは、長期間創造現場から一時的に離れて「充電する」という意味であり、自分以外の創った舞台を評価することで、ふたたび現場に戻った時に創造的な飛躍が期待できると考えました。 なぜキャリア・ブレイクなのかと言えば、現場経験の薄い、あるいはまったく未経験の人間が評価することに、芸術の創造現場の人間が堪えられるかという「事情」があります。 平田オリザ氏は「ポスドク」が良いと提案して、彼らの就職先になるのも一つの考えと言っていますが、それでは、「なぜいまアーツカウンシルなのか」の答えにはならない、と私は思えます。 実際の高等教育現場で働いていた立場から言いますと、「ポスドク」程度の批評力と評価力ではこの重責は担えません。 だいいち創造現場が承知しないでしょう。 私は、指揮者、演出家、俳優、演奏家、技術スタッフが一時的に創造現場を離れるキャリア・ブレイクをして評価機関に在籍するのが説得性はあるし、あわせて現場復帰後の彼らに芸術的進化や技術的向上をもたらすと考えます。 在外研修もよいですが、このようなキャリア・ブレイク制度を設けるのも一案ではないでしょうか。 あわせて、評価機関には、公認会計士、経営コンサルタント、教育専門家などを雇用すべきです。 創造現場が、「ポスドク」の人間に評価され、審査されて納得するとは到底思えません。 なぜ、いま「アーツカウンシル」なのかと言えば、文化庁の事業説明にあるように「現場の実情を把握したうえで、審査員による専門的な審査・評価を行い、文化芸術活動への助成に関するPDCAサイクルを確立するため、日本版アーツカウンシルを試行的に導入する」というのです。 つまり、現行のように学者・研究者や評論家が審査することで、本当に公平適正な評価が出来ているかどうかという現場からの不信感があるのではないでしようか。 そのことは頻繁に耳にします。 現に予算上の費目の価格設定が不当に高かったり、非常識なほどに相場を外れていても、そこは問題としないで というより、「相場価格」を知らないので 「この団体は支援したい」という評論家の一言で補助金・助成金の採択がされたり、地域の公共劇場・ホールの事業を審査する委員が、地域にはただの一度も行ったことがないという不条理もあります。 地域の公共劇場・ホールのことは「伝聞」や「申請書類」で価値判断しているのが現状です。 そのようなことがまかり通っているのですから、創造現場の人間からしてみれば、「不満」であり、「不安」であり、つまりが「不信」であるというのが正直なところでしょう。 とは言っても、誰が審査しようと恣意性はついてまわるものであり、キャリア・ブレイクで演出家や俳優や劇場ディレクターが審査しても、相対的に審査される側の「不満」や「不安」や「不信」が軽減するに過ぎないことは言うまでもありません。 しかし、この「軽減」が、アーツカウンシル創設で求められているのではないでしょうか。 むろん、行政機関から一定の距離を持った「アームス・レングス」を実現するという提案理由はあると思います。 が、しかし、突如として「日本版アーツカウンシル」が俎上にのぼる緊急性の根拠に「アームス・レングス」にあるとは思えません。 文化庁でも、芸術文化振興基金の現行の制度でも、文化芸術に見識のない公務員や事務職員が価値判断しているわけではないのです。 価値判断しているのは、おおよそ学者や研究者や評論家です。 したがって、ここまで前のめりになって「日本版アーツカウンシル」を求める根拠は、評価や審査への「不満」や「不安」や「不信」ではないかと推察されます。 したがって、それを「軽減」するには、あくまでも相対的にではあるのですが、キャリア・ブレイクの制度化が必要なのではないかと思っています。

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